ラブライブ!スーパースター!! 考察 第9話「君たちの名は?」~各グループ名から見る社会背景~
私事ではございますが、先日Guilty Kissのライブに行きました。とんでもなく楽しく興奮しましたが、その反動でちょっと体調を崩すなど、色々やらかしております。
さて、そんなことはさておき。第9話はその題名からわかるように、ついに同好会にLiellaの名前が冠されます。今更これがネタバレだという認識が筆者にはありませんので、ご了承ください。
前回が中々重厚なエピソードだっただけに、今回は随分とアッサリとしています。正直考察することもあまりありません。
とはいえそれでは寂しいので、せっかくなので今回はおまけとしてラブライブシリーズのグループ名から見る日本社会やラブライブの歴史を、いつもより多めの妄想で語っていきたいと思います。
※ここから先はラブライブ!スーパースター!!第9話のネタバレを含みます。まだ本編を視聴していない、またはネタバレが嫌だという人は決して見てはいけません。マジで責任は取りませんので、悪しからず。
※基本的にこの考察はただのおっさんの妄想です。ひとりのラブライバーの解釈であり、これが「正解」であるなどと言うつもりは全くございません。あくまで、妄想・ジョークの類として受け取って頂ければ幸いです。
- ⊡ ついにラブライブ
- ⊡ 決まらないグループ名
- ⊡ 真姫ちゃんオマージュ
- ⊡ その名は
- ⊡ μ's 厳しい現実に、人々は女神を欲した
- ⊡ Aqours 新たな救いの女神たちに、人々は執着した
- ⊡ 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 多様性を認める時代へ
- ⊡ Liellaとは
⊡ ついにラブライブ
いきなりですが、タイトルの「君たちの名は」というのは明らかに映画「君の名は」のオマージュですね笑。今更と言えば今更ですが。それとも偶然でしょうか笑。
冒頭、可可がなにやら知らせを受けて興奮しております。勘の良い人ならなんとなく察しがつきますが、やはりラブライブのエントリーが始まるとのことでした。
物語上の「ラブライブ」については今更説明はしません。
恋「実際に大会で有名になったことで、入学する生徒が凄く増えた高校もあるとか」
可可「ハイデス! 廃校のピンチから一気に有名になった高校も幾つもあります」
ここでもサラリと言いましたが、スクールアイドル活動をして廃校の危機から脱した高校が"幾つも"あるそうです。つまり、ラブライブで廃校の危機を逃れた高校は音ノ木坂だけではなかったということです。ほんまかいな。
今年のラブライブ決勝は神宮競技場で行われるらしく、名前だけで判断するに結衣ヶ丘のご近所ではないかと思われます。地方から来ているスクールアイドルと比べて、ホームでの大会となる同好会にとっては有利となりそうですが、そこまで細かい描写があるかどうかはわかりません。
(オープニングでLiellaが踊っていると思われる会場。どこか既視感があるのは、恐らくモデルとなった会場が、東京オリンピックが開催された場所でもある「オリンピックスタジアム」だからでしょう)
幼き日から憧れていたスポットライトを浴びる日も近いと浮かれるすみれ。しかし、何かと突っかかるのはやはり可可です。
「そんな簡単に、ここに立てるなと思うなデスヨ。コノスットコドッコイ」
喧嘩ばかりしていますが、やはりそれはこの2人の仲の良さの現れなのかなと。どうでもいい相手に対して喧嘩などしませんから、興味の対象になっているということですね。
恋になにやら違和感を感じるかのんと千砂都。というか、今まで何故気付かないのか。
(控えめに言ってかわいい)
「科によって征服で区別するのではなく、自由に選べるようにした方が良いと、理事長から提案がありまして」
と、このブログでも指摘し続けていた「制服による区別」を「制服の選択制」によって撤廃するという流れになった様子。これにより、恋は音楽科でいながら普通科の制服(とはもう呼べませんが)を着ることが可能になりました。なぜ普通科の制服を選んだかはこの回では語られませんでしたが、やはり母親が来ていた制服と同じものを着ていたいという心理からでしょう。
制服の事で盛り上がる千砂都とかのんですが、ラブライブの話はどこへやら。話を元に戻そうと、ラブライブの伝統芸を繰り出す可可。
(いわゆる、下から生えてくるというやつ)
可可「今年のラブライブは難関です。スクールアイドル人気は留まるところを知らず、毎年参加学校は史上最多を更新し続けているのデス。その中で夢のステージにたどり着ける学校はほん~の一握り!」
「そこまで私たちのレベルは低くないと思う」と言うのは千砂都ですが、それでも可可は「マジで甘い」とたぶん中国語でそんな感じの事を言います。千砂都の言うこともわかりますが、チームとしての結束的な意味ではまだまだこれからのグループでしょう。
何かと忘れがちになりますが、ラブライブで発表される楽曲は新曲でなければなりません。ラブライブの大会形式について纏めた記事がありましたので、ここにリンクを貼っておきます。この機会に振り返ってみるのも良いでしょう。
色々と話し合い、かのんが作詞で恋が作曲という流れに。これが後にややこしい事に繋がりますが、一旦おいておきましょう。
可可の作画崩壊レベルの変顔と共に明らかになったのは、ラブライブにエントリーするためにはグループ名が必要であること。まだ彼女たちにはグループ名が存在しませんでした。今までグループ名無しでもなんとなく活動を続けられていたので、今の今まで誰も気にしていませんでした。ここまでが、この回の導入でした。
⊡ 決まらないグループ名
このままではラブライブにエントリーする事すらできない5人は、早速グループ名を考えることに。可可が「クーカー」の発展形として、全員の頭文字を取った「チクレカス」というネーミングを考えるも、当然却下に。
「カス」という単語が入ってるのと、その響きがネットスラングのようなダサさであることから却下になりましたが、全員の要素を入れるというのは中々悪くない発想かなぁ、と。続いて千砂都が提案しますが、案の定マルを基調としたネーミングばかりで当然ボツに。彼女の異様なまでのマルへの執着心は、いずれ描かれるのでしょうか……?
(「マルマルサークル」など。これもボツに)
恋にも何か良いアイデアは無いかと振るかのんですが、恋は「あまり趣旨を理解していない」と、ノートに書き留めていたアイデアを出すのを遠慮します。後ろ手に隠したノートには、いわゆるキラキラネームのようなグループ名ばかりでした。
すみれは当然無視されるとして、可可がアイデアを思いつきます。
「確か、レジェンドスクールアイドルはかつて……」
「こうして名前を募集したのデス!」
この「レジェンドスクールアイドル」というのは言うまでもなくμ'sのことでしょう。さりげなく「レジェンド」と古株扱いされてる辺りに時代の進み具合が伺えます。そんな過去のレジェンド達に倣ってグループ名を募集するも、全く集まりませんでした。
「あまり自分たちの活動に興味が無いのでは」と心配するのはかのん。今までの話の流れからすると、その心配を否定する材料はいくらでも出てくるのですが、とは言え実際に誰からの応募も無いとなると自信が無くなってしまうのもわかります。たまらず、かのんはサニーパッションのふたりに相談をすることに。
「サニーパッション」と言う名前はファンの子が付けてくれた、と明かされます。人気がそこまでなかった頃に、動画をアップしたりして、ファンになってくれた子達のひとりがつけたと柊真央は話します。
その話にインスパイアされたかのんは、さっそく動画配信を試みることに。しかし、動画配信の経験も少なく、何をするのか事前に決めていなかった配信は中々のカオスに。「いいね!」の回数は多くもらったようですが、スクールアイドルとして注目されたかは正直微妙です。
そもそも名前を決めることに囚われすぎて、練習が出来ていなかったとかのんが若干責められる形に。
作曲についても、恋は出来た詩をイメージして曲を書く(いわゆる詩先)に対して、かのんは曲をまず先に書いてから詩を書く(曲先)タイプであったことが判明。早くもグループとしての纏まりの無さが浮き彫りになってしまいました。
⊡ 真姫ちゃんオマージュ
曲も振付も何も決まっておらず、練習も基礎体力の向上意外にやることがないと嘆くメンバーたち。「曲さえあれば」と自然とかのんへの期待値が高まってしまいます。
かのん「このグループと学校を代表するような曲って言われると、なかなか……」
千砂都「そんな難しく考えなくてもいいんじゃないかな」
可可「そうデス! この5人を見て、感じたことをそのまま歌にすれば良いのデスヨ」
かのん「じゃあ聞くけど、可可ちゃんはこの5人を見て何を感じる?」
そう聞かれて可可は「最強」「エクセレント」などの言葉を出しますが、いまいちピンと来ません。
かのん「難しいんだよ。この5人ってバラバラだし、最初から何か目的を持って集まったわけでもないし……」
かのんは少し不安げに他の4人を見つめます。かのんと他メンバーで距離があるのと、このカットだけ魚眼になっているのは、若干の心の歪みを表しているからでしょうか。兎にも角にも、かのんはなんとかグループを纏めようとしますが、その想いとは裏腹にメンバーの方向性は一致してくれません。
とは言えグループ名を決めない事にはラブライブのエントリーは叶いません。そこで可可は所謂「ジャパニーズカンヅメ」と称してかのんを部屋に監禁します。
これは恐らくラブライブ!2期第2話「優勝をめざして!」の合宿回のオマージュだと思われます。ラブライブに向けて準備の為に、西木野真姫と他メンバーは自室に籠りますが、プレッシャーとその閉鎖空間に耐えられず脱走してしまう、というお話でした。
この先代レジェンドスクールアイドルμ'sの結果を見てもわかる通り、このやり方ではうまくいきません。かのんは先代よろしく脱走を図ってしまいます。
⊡ その名は
あまりにも自分を頼り過ぎなのではないかと、つい789に対して愚痴ってしまうかのん。
そんなかのんを見かねて、789が援護射撃をします。
ななみ「まぁまぁ、かのんちゃんも一生懸命なんだから」
やえ「そうだよ。それに、かのんちゃんの気持ちわかるよ。あなた達ってこれって言うイメージ無いもの」
ここの「ほらっ、この前グループ名も募集していたでしょ?」
ななみ「あれね。みんなとも話してたんだけど、考えてもイメージ湧かなくて……」
(ラブライブの歴代3モブキャラは数字から来ている。ラブライブ!では123、サンシャイン!!では456、で、今回は789なのでそれぞれ「ななみ」「やえ」「ここの」)
続けてやえがこう言います。
やえ「そう。あなた達って、始まったばかりというか、まだ真っ白っていうのかな? 特徴が無いって言っちゃうとよくないかもしれないけど」
その言葉に何か閃いた様子のかのん。789の忌憚のない意見を聞いて、他メンバーは落ち込んだ様子ですが、かのんだけはポジティブに受け取り、ぜんぶ浮かんだとメンバーに宣言します。
最終的にかのんが浮かんだのは、そう「Liella」という名前でした。
こうして晴れてグループ名もきまったLiellaはラブライブに正式にエントリー。ようやく大きな大会に向けての一歩を踏み出したのでした。
とまあ、これだと考察と言うよりただのまとめになってしまっていますね。
せっかくなのでここからは番外編として、ラブライブシリーズの各グループ名に纏わる歴史的な背景について考察を進めていきたいと思います。
というわけで、本編の考察と言う名の纏めはこれまでです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました!!
それでは次回、第10話「チェケラッ!!」にてお会いしましょう!
さようなら~。
※ここからはラブライブに対して多少センシティブなことも取り扱っています。いつもより妄想が激しいので、ジョークとして捉えられない方は大人しくブラウザバックしてください。
⊡ μ's 厳しい現実に、人々は女神を欲した
言うまでもありませんが、μ'sの始まりは即ちラブライブの始まりでもあります。Wikipediaによると、電撃G's Magazineの2010年8月号にてキャラクターが先に発表されたとか。その後、2011年の1月号にて、投票の結果「μ's」という名前が冠されます。
私はこの頃からμ'sを追っていたわけではありません。スクフェスだけをやっていて、ラブライバーと名乗るには程遠い存在でした。
μ'sが誕生した時期は、日本はリーマンショックの煽りを受け、いわゆる就職氷河期と言われた時代でした。かく言う私も、中々就職が出来ず、やっとの思いで内定をもらった企業は、ブラック企業と呼ばれる会社だったということがありました。
そして、これはμ'sの名前が決まった後の事ではありますが、東日本大震災が起こります。多くの犠牲者を出した未曽有の大災害は、日本と言う小さな島国により一層の暗い影を落としてしまいます。
そんな厳しい状況の最中で生まれ、活動したのがμ'sです。
その時ラブライブという作品自体が、今ほど注目があったわけではありませんので、恐らくグループ名を決める投票も今ほど盛り上がったわけではないでしょう。数少ないファンが投票したのは、ギリシア神話の文芸の女神たちから名を取った、「μ's」でした。筆者には、厳しくなりつつある日本社会に生きるファンたちが、「女神」の存在を欲したように見えてしまいます。
μ'sは程なくして大人気になります。テレビアニメも始まり、ツアーをやればどの会場も満席。更には劇場版アニメの公開に、NHK紅白歌合戦出場など、破竹の勢いでした。それは恐らくμ'sや関係者たちの想像を大きく超えた人気でした。その人気の理由については本記事では語りませんが、ラブライブ!は一種の社会現象にもなりました。
厳しい日本社会に舞い降りた女神たちは、日本人の心を癒し、まさにラブライブは一種の楽園と化しました。
しかし、μ'sはその人気がおそらく絶頂に達したころに、活動を休止します。休止の理由ははっきりとはしていませんし、センシティブなことなので本記事でも無粋な考察は致しません。突然の休止に、当時のライバーたちはやるせないキモチでしたでしょう。こうして、ラブライバーは突如として楽園を追放されます。いわゆる、「失楽園」というやつです。
⊡ Aqours 新たな救いの女神たちに、人々は執着した
μ'sが活動を休止したからといって、ラブライブが終わったわけではありませんでした。そう、「ラブライブ!サンシャイン!!」がスタートし、新たにAqoursというグループが発足したのです。
新勢力が出てきたときに、それまでのファンが取る行動は筆者が経験している限りでは次の3つです。
1.新勢力に加わる
2.新勢力と対峙する
3.是非に限らず傍観する
ラブライブに限らず、新しいシリーズが出た時にファンが取る行動は大きく分けてこの3つでしょう。
新しく始まったモノを受け容れて、楽しみを拡げる者もいれば、新しいモノを拒否して楽園に帰るその日を待ち続ける人達もいます。更にその中にも、黙って女神帰還の日を待つ人もいれば、必要のない争いを起こす人たちなど、本当に様々です。いずれにせよ、どの行動もμ'sの存在の大きさを物語ります。
新しく始まったサンシャイン!!でしたが、そんな中でファンは不安に駆られ、こう思った人も多かったはずです。
「私たちもいつかは、このサンシャイン!!という楽園から追放されるのでは……」
楽園を追放され、μ'sが手の届かない存在になってしまったファンは、新しい女神たちをこう名付けました。
Aqours。水を表す"Aqua"に、「私たちのもの」という意味の"ours"を付け足しました。
「この女神たちはどこへも行かない。ずっと『私たちのもの』だ」
Aqoursという素敵な名前は、楽園を追放されたラブライバーの悲痛な叫びや、執着の様にも筆者には見えます。しかし、その思いがよほど強かったのか、Aqoursは幸運なことにテレビシリーズが終わりを迎えた今でも、精力的に活動を続けています。
⊡ 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 多様性を認める時代へ
ラブライブにも、ついに第3のグループ(ではありませんが、便宜上そう記載します)が現れます。もちろん、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会(以下ニジガク)です。
ニジガクはWikipediaによると、2017年3月末にスクフェスの派生プロジェクト「パーフェクトドリームプロジェクト(PDP)」から発生し、μ'sやAqoursとはまた違った派生で現れたラブライブシリーズのアイドルです。
その特徴はなんといってもグループとしてではなく、「それぞれのスクールアイドルがソロとして活動をする」という、今までとは違った形での活動形態をとっている事でしょう。それぞれの個性を発揮することが出来るなら、無理に足並みを揃えなくてもいい。そういった考えが、ニジガクの根底にはあります。
さて、ニジガクが現れたのは2017年の3月だと記しましたが、その少し前ぐらいから日本のみならず世界でも「多様性」というものが広く叫ばれるようになりました。そのひとつの例としてLGBT(Q)というものがあります。
このブログはジェンダー問題など、政治的な事を扱うブログでは無いので詳細は省きますが、こういった問題がメディアでも多く取り上げられるようになる中、Facebook上ではフェイスブックレインボーというものがちょっとした流行りになりました。ニジガクが発足するおよそ2年ほど前のことです。
自身のアイコンを虹色にして「LGBTとそれにまつわる社会運動を応援しよう」というような意味合いを込めて、自身のプロフィールアイコンを虹色にするのが話題になりました。
日本ではあまり馴染みのないことなのかもしれませんが、海外(特にアメリカ等)では虹色というのはLGBTなどの多様性を表す色となっています。そんな世間の動きの中で「虹」という単語を冠したアイドルが生まれ、更にはメンバーそれぞれの個性を最大限に尊重したプロジェクトが生まれたのは偶然ではないと筆者は考えています。
⊡ Liellaとは
幾分長かったですが、投票で決められたとはいえ、各グループの名前の背景には「それなりの時代背景がある」ということがわかっていただけたと思います。
それでは、Liellaの持つ名前の由来とは一体何なのでしょうか。考案者である「とらさん」のコメントにはこうあります。
結ぶ・繋ぐという意味のlier(リエ)と、内面的な輝きと言う意味のbrilliante(ブリランテ)を組み合わせた造語。内に秘めた"星"を繋いで、結んでいくことで、いつかスーパースターになれる、という想いがこもっています。
このほかの候補にも、結衣ヶ丘が大事にしている「人との結びつき」を基にした名前が数多くありました。結衣ヶ丘の「創立者のあいさつ」にこんな言葉があります。一部抜粋します。
インターネットが普及し人と人との結びつきが希薄になった現在、人と絆を深め、人を思いやる心を育み、その中でその人らしい夢を見つけ、未来向かって羽ばたける場を作っていくということであります。
さて、ここからは更に作者の妄想です。一部批判があることも覚悟で書きます。
前述したように、μ'sが活動を休止し、Aqoursが活動をスタートさせたあたりから、ラブライブ界隈にはμ'sの支持者(俗にいうμ's原理主義者)とAqoursの支持者との不毛な争いというものがあります。これは私も最近になってTwitterを始めたのですが、残念ながら未だにそういった言い争いをしているラブライバーが後を絶ちません。
更にはニジガクから入っていったライバーたちに対して、「μ'sやAqoursの知識が浅い」というだけで「仲良くできない」といったツイートまで見かけたこともあります。
こういった状況を見ていると、我々は「ラブライブ」という共通言語をいつの間にか忘れて、自分の推しているグループでのみ会話をしているようにも感じます。同じラブライバーなのに、いつの間にかその繋がりは薄くなっている。もちろん全員がそうだとは言いませんが、一部ライバーたちの現状は残念ながらそうだと言わざるを得ません。
スパスタのストーリー構造のひとつに「普通科と音楽科の対立」というものがありました。この対立の描き方は、今までのラブライブシリーズにないほどギスギスしたものでした。改めて見てみると、この「普通科と音楽科の対立」というのは、どこか「ラブライバー同士の対立」に似ているものがあります。「音楽が好き」「学校を盛り上げたい」という同じ想いがあるにも関わらず対立してしまうというストーリー構造に、筆者はどうしてもライバー達との嫌な共通点を見出せずにはいられませんでした。
「ラブライブシリーズを愛しているにも関わらず、何故か争ってしまう私たちをもう一度繋いでくれるような存在」として、Liellaという名前が冠されたのではないかと筆者は考えます。
もちろん、これは筆者の妄想にしか過ぎませんが、同じようなことはラブライブ界隈だけに限らず起こっています。世界を見渡せば人々の分断はより一層深いものになってしまい、インターネットという便利なものは、分断の溝をより強く認識するためのツールになってしまっています。
願わくば、このラブライブ!スーパースター!!という作品が、せめてひとりでも多くのラブライバーたちが他人との趣味嗜好の違いを受け容れ、繋がるとまでは言わずとも争いをやめるきっかけになる作品になればと星に願っています。
この記事はこれで終わりです。
ここまでお付き合いいただきまして、本当にありがとうございました。