スクールアイドル研究所

ラブライブシリーズのアニメ考察がメインです。考察という名の妄想ですが……

アニメ虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会2期 第6話「"大好き"の選択を」考察 ~"大好き"の境界線 スクールアイドルと学生 ~

どうも、わたしです。

 

今日はしょうもない前置きなんて要らないでしょう。何て言ったって我らが絶対的スクールアイドル優木せつ菜の回なんですから。

 

 

今回の記事をより一層理解するために、優木せつ菜の"大好き"を把握しておく必要があると思います。これに関しては、以前に紹介したことがあるので、是非以下リンクの記事も一読いただけると幸いです。

 

jmusublog.hatenablog.com

 

さて、そもそも優木せつ菜はなぜ正体を明かしたのでしょうか? これを具体的に説明できる人はどれぐらいいるのでしょうか? 今回の記事では、それを完全解説したいと思います。

 

キーワードは「境界線」です。筆者としては、その視点で6話を観ておりました。そして、優木せつ菜の一期の役割なども踏まえて、6話の考察を進めていきたいと思います。

結局前置きなげーじゃねーか

 

※ここから先はラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の2期第6話ネタバレを含みます。まだ本編を視聴していない、またはネタバレが嫌だという人は決して見てはいけません。マジで責任は取りませんので、悪しからず。

※基本的にこの考察はただのおっさんの妄想です。ひとりのラブライバーの解釈であり、これが「正解」であるなどと言うつもりは全くございません。あくまで、妄想・ジョークの類として受け取って頂ければ幸いです。

 

⊡ スクールアイドルと学生の境界線

 

歩夢「ためらわないでまっすぐに」

 

 

せつ菜「"大好き"を届けに行こう」

 

 

A・ZU・NAの楽曲「Cheer for you!!」から引用されたセリフ。冒頭のセリフは他者との関係性を現わしたセリフが殆どでしたが、今回のそれは明らかに毛色が違います。

 

「スクールアイドルは今回のイベントの象徴的な存在だから、思いっきりフィーチャーしたいんです!」

「特に、神出鬼没のスクールアイドル、優木せつ菜ちゃんの正体にせまりたいな~、なんて!」

 

 

と語るスクフェスNランク勢の誰か(すいません、名前が出てきません)。冒頭からこんなやり取りが行われているということは、今回はズバリ「スクールアイドル」と「優木せつ菜」が非常に重要な存在として扱われるという事です。

 

 

映像を撮られても、あまりアップで撮らないようにとお願いするせつ菜。相変わらず正体を隠そうとしてます。

いまだに正体を隠す理由を本人が語ります。これは今回のテーマを理解する上で非常に重要なセリフです。

 

せつ菜「生徒会長とスクールアイドルって、全然違うものですから」

「どちらも大好きでやりたい私としては、このままの方が良いと思うんです」

 

 

と、この時点でスクールアイドルの代表とも言える存在、優木せつ菜ですら「スクールアイドル」と「生徒会長」というものを「全然違うもの」と定義し、境界線を設けています。

おそらくせつ菜の言う通りSIFを行うだけであるのならば、「生徒会長」と「スクールアイドル」は混ざり合うことが無かったかもしれません。しかし、ある出来事をきっかけに、既にこの2つは融合を始めています。

その出来事は勿論、「SIFと文化祭の合同開催」です。

これをきっかけに、本来交わることの無かった「生徒会長」と「スクールアイドル」の2つの役割の境界線が曖昧になっていきます。

 

更に広い視点で観れば、スクールアイドルと学生の境界線も無くなっていきます

 

それを象徴するかのようなシーンが挿入されました。

モブ「スクールアイドルを撮ってるんじゃないの?」

侑「そうだけど、みんな頑張ってるなあって」

 

セリフから解るように、高咲侑はスクールアイドルを撮影することが目的なはずですが、SIFや文化祭の出演者を撮るようになっていきます。SIFの発案者である侑自身が、スクールアイドルと学生の垣根が無くなっていることを実感したシーンとなりました。

 

 

そんなわけで愛さんがミアを撮影し、ミアがこの画角に入ることが、後に「ミアがスクールアイドルになる」という映像的な伏線として挿入されました

 

⊡ 中川菜々と優木せつ菜の融合

 

所要があると言って、生徒会を早抜けする菜々。「お手伝いしましょうか?」と栞子の誘いを断る際にもこんなことを言います。

 

菜々「生徒会とは、関係のない用事なので……」

 

さて、正体がバレたくだり全部を引用するのは大変なので控えますが、注目したいのはこのシーン冒頭のセリフとせつ菜(菜々)の格好です。

 

せつ菜(菜々)「今の私は、すっごく気合が入っているんですよ! せつ菜と菜々、2つの"大好き"を持ってはいますが、私は結局一人なワケで」

「2学期で会長の任期は終わりなわけですし、スクールアイドルと生徒会の職務を一緒にやれる機会なんて、もう無いかもしれません」

「ですから!この行事を私の集大成にしたいんで……」

 

せつ菜がセリフで説明したように、SIFと文化祭が混じったことで「スクールアイドル」と「生徒会」の職務が一緒になってしまいました。そのため、「中川菜々」と「優木せつ菜」の境界線が徐々になくなりつつあります。

 

 

そして、この姿にも注目して欲しい理由は、中川菜々を象徴する「眼鏡」と優木せつ菜を象徴する「髪型」がひとつになってしまっています。この格好からも、「優木せつ菜と中川菜々の融合」が徐々に行われつつあることがわかるはずです。

 

 

この現象が発生した原因の一端は、SIFと文化祭を合同で行うことを発案した三船栞子にあります。生徒会の中で一番最初に正体がバレてしまうのが彼女であるということにも、必然的な流れなのかもしれません。

 

⊡ 始まったのなら貫くのみ

 

そんな中、SIFの参加希望者が予想より多くなり、まさかのキャパオーバーとなる事態に。噂も学園中を駆け巡ります。誰だよ、こんな噂を流したのは!

 

生徒会長である菜々は文化祭とSIFの合同開催を白紙に戻すという決断を選択します。しかし、恐らく一番本人がやる気を出していたこのイベントを白紙に戻すという決断に、やはり納得がいかない様子でした。

 

 

「生徒会長としての大好き」または「スクールアイドルとしての大好き」のどちらかを諦めなければいけません。ここで、改めて2つの「大好き」を簡単におさらいしましょう。

 

まず、生徒会長の中川菜々の"大好き"は、「みんなの期待に応えること」です。一例として成績優秀な生徒会長を演じているのは、「親の期待に応えるため」です。

そして、スクールアイドル優木せつ菜の"大好き"は「誰かの期待に応えず、自分の好きな事をやり遂げる」ことです。ラブライブに参加しないのも、「優木せつ菜ならラブライブで良い線いくはず!」というファンの期待に応えないことが、自分の大好きを貫く唯一の方法で、それを完全に肯定したのが高咲侑だった……というのが1期第3話の話でしたね。

 

この2つの"大好き"今まで相反した存在でした。どちらかを叶えれば、どちらかを諦めなければいけないという存在だったからこそ、中川菜々と優木せつ菜という2つの人格を使いこなして、このどちらも叶えるというのが、中川菜々と優木せつ菜の苦肉の策でした。

 

ところが、今回文化祭とSIFが合同で開催となったことで、始めてこの2つが一致しました。即ち、「みんなの期待に応えながらスクールアイドルが出来る」「みんなが中川菜々と優木せつ菜に期待している」という状況です。

 

そして、この"大好きを諦めない"という姿勢は、いつの間にかみんなに波及していました。「みんなが優木せつ菜(スクールアイドル)になる」という1期のひとつのテーマが、このシーンに象徴されました。

 

歩夢「『始まったのなら、貫くのみ』でしょ?」

 

これはもちろん、1期で優木せつ菜が歩夢に放ったセリフですね。

 

 

優木せつ菜に影響された代表的なスクールアイドルとして、歩夢がこのセリフを言うのはグッと来るものがありましたね。

 

⊡ 無くなっていく境界線

 

SIFは本来虹ヶ咲学園だけで行うものでしたが、このキャパオーバー問題を解決するために他校の文化祭でも合同開催し、日を分けて開催することになりました。

 

 

「自分の学校でもやれたら面白そう」とこの考えに共感し、他校の生徒も動くことになりました。こうなってくると、もうスクールアイドルだけのイベントであるとは言えない規模になっています。

虹ヶ咲だけで行われるはずのイベントが、学園を超えて波及していき、「学生」と「スクールアイドル」の境界線がなくなっていきます

 

 

こうなると、もう「中川菜々」と「優木せつ菜」を使い分ける理由も無くなります。前述したように、「スクールアイドルとしての優木せつ菜」と「生徒会長としての中川菜々」両方の存在が、このイベントの成功には必要だからです。もう"大好き"を隠す理由もなくなります。

 

 

親に自分のスクールアイドルとしての活動を知ってもらおうと思ったのも、そういった背景があったからでしょう。余談ですが、スクスタ絆ストーリーでは、親と喧嘩をしてせつ菜が家出をするというストーリーがありましたが、アニメ世界線でのお母さんは非常に理解のあるママでした。よかったよかった。

 

 

映像研究部が制作した映像を見てもらえばわかりますが、当初スクールアイドルだけにフォーカスした映像を作るはずが、スクールアイドルだけでなく、このイベントに参加している学生も、分け隔てなくフィーチャーされています。

 

 

だからこそ、高咲侑が映ったことにもある程度の意味が出てきます。ランジュが1話で侑にした「あなたはスクールアイドルじゃないのにどうして同好会にいるの?」という最初の質問のアンサーにもなり得ます。

 

"大好き"を届けるのに「スクールアイドルかどうか」というのは、もはや関係ないのです。

 

そして、最後の締めくくりとして中川菜々と優木せつ菜のスピーチがありました。

 

菜々「私自身も今回の出来事から、自分を支えてくれる人たちの繋がりを再認識することが出来ました」

「みなさんの"大好き"な気持ち、その全部が私を助けてくれて、それを感じて、感謝するたびに、もう今の私は"大好き"を隠す必要はないんだって気付くことが出来ました」

 

 

「だから、今ここで皆さんに……生徒会長の私と一緒に……」

 

せつ菜「スクールアイドルの私も、紹介しようと思います!」

 

 

「スクールアイドル同好会の優木せつ菜です!」

 

 

 

⊡ 終わりに そして今後の展開の予想

 

いかがだったでしょうか?

 

これも余談ですが、三船栞子と中川菜々はスクスタ次元では割と敵対関係のような間柄だったこともありますが、アニメでは菜々が正体を明かすきっかけをくれたのは栞子だと言えます。そういう意味では、栞子はせつ菜にとっての恩人だと言えるでしょう。

 

さて、今回の出来事が起こったのは、それもこれも文化祭とSIFを合同開催したことがきっかけだった、というのが筆者の考察です。これを機に、色んな境界線が無くなっていきます。

 

恐らくですが、ミアやランジュが拘っている「プロ意識」のようなものも、最終的には無くなっていくのだと思います。

 

2期の大きなテーマである「色が混ざり合っていく」とおうのは、スクールアイドルだけのことかと思っていましたが、なんとスクールアイドルだけでなく、それに関わる学生そのものの色までが混ざり合ってしまうという、私の想像を超えた展開となっていきました。

 

今後の展開も、ますます目が離せませんね。

 

というわけで、今回はここまでです。

ここまでよんでくださって、本当にありがとうございました!

 

次回、「夢の記憶」でお会いしましょう。

 

 

さようなら~~