~「新しいわたし」の化身ウィーン・マルガレーテ~ ラブライブ!スーパースター!!2期3話「優勝候補」考察
どうも、わたしです。
1,2話はどうも感想に終始してしまいました。というのも、記事でも書きましたが2期の作りが今のところストレートで、そこまで考察するポイントも無かったからです。
今回、新しいキャラクターが出てきました。ウィーン・マルガレーテ(以下ウィーン)です。
いかにもライバルキャラといった姿かつ言動で、Liella!の前に立ちはだかりました。色々と疑問はありますが、追って記述していきます。
さて、今回筆者が一番注目したいのは、ウィーンとかのんの関係性です。
「関係性」と書くとなんか語弊があるので具体的に言うと、ウィーンはかのんにとってどのような存在なのか?ということです。
まだほんの少ししか登場していないウィーンですが、セリフなどからどのような役割を担ったキャラなのかはある程度予測できます。
今回は、この新キャラ、ウィーン・マルガレーテについてメインに考察していきます。
※ここから先はラブライブ!スーパースター!!2期3話のネタバレを含みます。まだ本編を視聴していない、またはネタバレが嫌だという人は決して見てはいけません。マジで責任は取りませんので、悪しからず。
※基本的にこの考察はただのおっさんの妄想です。ひとりのラブライバーの解釈であり、これが「正解」であるなどと言うつもりは全くございません。あくまで、妄想・ジョークの類として受け取って頂ければ幸いです。
⊡ 「勝つ」ということ
まず、今回は割とキチンと考察したいので、いつものようにストーリーのテーマが語られる冒頭部分を見ていきましょう。
Liella!は去年と同じく代々木のスクールアイドルフェスに参加することが決まりました。前大会と違うのは、Liella!は大会運営側から招待されていることと、サニーパッションが出場しない事。それ故に、Liella!は大会のトリを任されることになりました。
前回覇者であるサニーパッションが出場しない事もあり、自然とLiella!は優勝候補であると期待されます。これが、タイトルの由来となっていますね。
かのん「そう考えてみると、私たちってまだ勝ったことないんだよね……」
はからずとも1話と同じような展開になりました。つまり、本人たちが満足する実績を上げられていないのにも関わらず、周りの期待だけが大きくなってしまっています。
もうひとつ言及したいのは、かのんの「勝利」への欲です。
上記記事でも散々語りましたが、かのんは1期12話で「新しいわたし」へと変貌しました。詳しくは記事を読んで頂ければと思うのですが、簡単に言うと「勝利にこだわる自分」へと変わることが出来ました。
勝つ事へのこだわりは、今更言うまでもありません。1,2話で既に何度「優勝を目指す!」と本人が口に出してるのかわからないぐらいです。
ただ、「2期のかのんはとにかく勝ちたい!」という状態であることは、頭に入れておいてください。
⊡ サニーパッション
そんな勝ちにこだわり続けるかのんですが、いまいち腑に落ちていないことがありました。それは、サニーパッションがインタビューで「一番心躍るグループはLiella!だ」と答えたことでした。
かのん「私たちってスクールアイドル始めたばかりだし、結果も何も出ていないのに……」
それもそのはずです、かのんからしてみれば、あれだけのパフォーマンスを以ってしても結果は「敗北」。にも拘わらず、サニーパッションが自分たちを称賛してくれることに「今のかのん」は納得できるはずがないからです。
その疑問に対して、サニパは「単純に素晴らしかったから」と、非常にアッサリとした答えを返します。しかし、これぐらいしか言えることがないんでしょう。ラブライブは勝負の場ではありますが、芸術を高め合う場でもあるはずです。Liella!は時の運で負けてしまいましたが、それとは関係なくパフォーマンスは素晴らしかった……ただそれだけのことなのです。
結果を追い求めるかのんに対して、皮肉にもサニパの2人は結果以外の重要さも示唆したということになります。
Liella!は褒めたうえで、それでも「私たちは負けるつもりはない」「2連覇するつもりだ」と宣戦布告する2人。ラブライブの歴史上、2連覇したグループはいないそうな。へぇ~。
悠奈のこのカットが面白いですね。右側には道が続いており、その先は暗い上に先が見通せないカーブになっている……。優勝したはずのサニーパッションでさえも、新しい挑戦は明るく先の見通せることではない、というカットになっています。
⊡ 「勝つこと」と同じぐらい大事なこと
かのん「勝てるかな、私たち? やっぱりサニーパッションさんや学校のみんなの話を聞いてると、結果出したいなって……期待に応えたいなって……」
「私ね、ラブライブ!のステージは本当にステキだったと思うんだ。全員で1つのステージをつくり上げることが出来た。でも、終わったとにあったのは『もう少しだった』とか『残念だけどしかたない』とか、そういう想いばっかりで……。だからみんなで喜ぶには勝つしかないんだって。」
千砂都に今の自分の勝負に対する想いを語るかのん。この長いセリフからも、今のかのんがどれぐらい勝負に対して真剣なのかがわかります。
しかし、千砂都は別のベクトルでかのんをみているようにも感じます。
千砂都「そう考えると、大変だよねラブライブ!って」
かのん「でも、そうやっていろんなグループと競い合って、1つのものを目指して高め合っていくのは楽しい。すごくワクワクする」
千砂都「それでこそ、かのんちゃんだ」
この「楽しい」という言葉こそが、今回のキーワードではないかと思います。
皆さん、ファーストシリーズであるμ'sを思い出してほしいのですが、彼女たちがスクールアイドルをした理由は「廃校問題」や「優勝したい」など色々あったと思いますが、結局のところ「楽しかったから」という結論に劇場版では至っていましたよね。
これは筆者の予想ですが、恐らく勝負に囚われたかのんが、スクールアイドル活動を「楽しいと思えるかどうか」というモノが描かれるのではないでしょうか……?
恐らく、先に記述したサニーパッションがLiella!を称賛したのは、彼女たちのパフォーマンスが凄く「楽しそう」だったから、というのもあるのではないでしょうか。
こういったテーマを語る上で重要になってくるのが、恐らく新キャラクターのウィーンではないかと筆者は見ています。
⊡ ウィーン・マルガレーテ
いきなりどこからか音もなく現れたウィーン。
いきなり「歌ってみてよ」とか「出来ないの?」と挑発します。
ハッキリ言って失礼です。
そして音もなく去って行きました。かのんも「何だったんだろう?あの子」と部屋で呟きます。本当に何だったんでしょうか?
さすがに、あのままでは意味不明すぎるシーンですが、今のところ考察する材料も不足しているので、彼女が一体何をしたいのかは後々に考えていく事としましょう。
そしてウィーンは代々木フェスにも現れます。
蝶に導かれるようにしてかのんはウィーンのステージの元へとたどり着きます。
普段このブログでは歌詞の考察はしませんが、今回は彼女のキャラクター性を理解する上で今回披露された「Butterfly Wing」の歌詞を見ていく必要があると思います。
暗闇の中をうごめきながら進んでく 今にも消えそうな月明り道しるべ
戦うべき相手がいるほど 心はそっと磨かれ輝きだす
翼などなくても 飛べるの 魂に超を宿し
空を翔けるあの鳥よりも 眩しい色を吐き出しながら
Fly Sky
選ばれるのは 強く願う者だけ
作詞:宮嶋淳子
まず、「戦うべき相手がいるほど」とあるように、彼女もスクールアイドル活動を「勝負の場である」と認識していることがわかります。これは、今のかのん達やサニパと同じですね。
気になるのは「翼などなくても飛べるの」と「空を翔けるあの鳥よりも」という部分です。この歌詞で想像できるのは、ウィーンが誰かを目標(あるいは嫉妬)にし、「そんなものが無くても私は大丈夫!」というメッセージの様にも聞こえるのです。
予想をある程度すると、今回彼女がソロでフェスに挑んだことと何か関係があるのかもしれません。受け取り方によっては、「仲間なんて要らない」と言ってるようにも聞こえます。
そして最後に「選ばれるのは強く願う者だけ」という部分のつなぎのカットとして、かのんが画面に映り込みます。この映像的演出からも、これはかのんに向けた宣戦布告だとわかるはずです。
まるで1期の「勝負への欲が無いかのん」を知っているかのような、この歌詞。
恐らくですが、ウィーンは昔のかのんを知っているのではないでしょうか? であるならば、かのんの過去を見透かしたかのようなこの歌詞にもある程度説明はつきますが……。
とりあえず今の時点でウィーンについてわかることはこれぐらいでしょうか。
⊡ かのんとウィーン
代々木フェスの結果は、Liella!は特別賞を受賞。優勝はウィーンとなりました。
特別賞でも十分凄いことですし、何より1年前にかのんは特別賞よりも「可可と最高のライブが出来た!」ということをとても誇りに思っていたはずです。
しかし、今はその結果にすら満足がいっていません。楽しさはどこ吹く風と言った具合です。
またウィーンが現れます。「あなた達が優勝候補ってことは、ラブライブは大した大会じゃない」と言い捨てます。本当にイヤな奴です。
「これなら勝てそう」と捨て台詞を吐いて去ろうとするウィーンにかのんは言います。
かのん「私たちは、優勝候補じゃない。私たちはたまたま、優勝した凄い人の目に留まって褒められただけ。何も結果は残してない」
「結果を残してないから自分たちは凄くない」という、自分を卑下する評価を下してしまうかのん。それに対してウィーンも「じゃあここに来たのは無駄足だったってわけね」と言ってしまいます。
さて、ここで抑えておきたいのは、二人とも「結果重視の人物になっている」ということです。
しつこいようですが、かのんは1期の終わりに「勝ちにこだわる自分」へと変貌しました。だからこそここまで結果にこだわっています。
ウィーンも同じです。「選ばれるのは強く願う者だけ」とかのんを挑発したのも、「あなたには強い意志が無い」とかのんをある意味挑発しています。
ウィーンは1期で「勝ちたい!」と強く願ったかのんが「目指している姿」でもあります。つまり、言い換えれば、ウィーンはかのんが目指している「新しいわたしの化身」だと言えます。
ウィーンが現れる時は、かのんよりも上の位置にいる場合が多いです。やはり映像的にも、「かのんの高みにいる」という演出なのではないかと筆者は考えています。
⊡ 勝ち負けよりも
「負けた自分たちが、優勝を目指していいのか」
そんなことを口走りそうになったかのんの元へ、結衣ヶ丘の生徒達が駆けつけます。特別賞を取ったことを祝うためです。
応援している人間にとっては、「1位を取ったかどうか」は往々にして重要でないことです。「感動した」とか、「一緒に夢を見させてくれた」という感情の方が強いというのは、アスリートを応援したことがある人なら解る感情ではないでしょうか。
結果を残せる人間だけが、凄いわけじゃない。自分たちを誇りにさせて、応援したいと思わせてくれる人間こそがスーパースターなんだ!
そんなメッセージなのではないでしょうか。
⊡ おわりに
いかがだったでしょうか。
ウィーンとかのんが同列的な存在だと書きましたが、大きな違いはやはりLiella!のメンバーや、何より応援してくれる学校の生徒たちがいることでしょうか。
あの場面で神モブたちが割り込んで「それでいいんだよ」と、特別賞という結果を肯定しなければ、ひょっとしたらかのんはウィーンと同じような人間になっていたかもしれません。
すでに分岐は始まっている。かのんが到達する「新しいわたし」は始まったばかり。そんな気がします。
最後に疑問なのが、「中学生でラブライブに出れるか?」「ソロでラブライブに出れるか」という問題があります。
まず、ひとつめの中学生が出場できるかに関しては、結論から言うと3話を観ている限りでは出れないのではないかと考えています。
というのも、セリフにもあったように今回ウィーンは「特別出場」という枠を設けてもらっているわけです。代々木フェスは特別扱いになりましたが、果たしてラブライブ本戦もそうなるかどうかは、普通の感覚だとちょっと怪しいと思います(まぁ、スタッフがそこらへんの設定変えそうではありますが)。
「ソロでラブライブに出れるか」という問題は、以前虹ヶ咲1期3話の考察でした通り、「基本的にはラブライブはソロで出られないのではないか」と私は考察しています。
個人的に私はラブライブは「アイドルの甲子園」みたいな立ち位置だと思っていますし、何より中学生の出場を認めてしまったら「限られた時間だから輝ける」というテーマに反するのではないかと思っています。
もちろん、製作がストーリーの都合上、ルールを変更したりということはありえるでしょうが、個人的にはやはりウィーンを中学生のまま本戦に出場させることはしないで欲しいなあ、と思ってはいます。
というわけで、今回はここまでです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます!
そして、いつもTwitterでいいねをくれたり、記事にスターを下さっている読者の皆様!いつもありがとうございます!!この場を借りて御礼申し上げます!
それでは次回第4話「科学質のふたり」でお会いしましょう!!
再見(ツァイツェン!)