スクールアイドル研究所

ラブライブシリーズのアニメ考察がメインです。考察という名の妄想ですが……

アニメ虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会2期 第4話「アイ Love Triangle」考察 ~パンダが象徴するモノとは~

どうも、わたしです。

 

今回は多くの方が予想……というか予告編にもあったように、Diver Divaの回になりました。

 

 

愛さんの回ということもあって、楽しそうな回になるかと思いきや、予想外の重い展開になりました。

そして何より大変なのが、この回は虹ヶ咲の過去回と比較してもかなり難解な回となっています。セリフで意味を説明するということも少なく、意味ありげで象徴的なカットも多いです。

 

個人的に注目したのは、パンダです。

「何を言っているんだお前は」と思われるかもしれませんが、ここでは多くは語りません。詳しいことは続きを読んでいってください。

今回は、難解な回だった故に、多少強引で苦しい考察も多いとは思いますが、所詮オッサンの妄想ですのでリラックスして読んでいってください。

 

※ここから先はラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の2期第4話ネタバレを含みます。まだ本編を視聴していない、またはネタバレが嫌だという人は決して見てはいけません。マジで責任は取りませんので、悪しからず。

※基本的にこの考察はただのおっさんの妄想です。ひとりのラブライバーの解釈であり、これが「正解」であるなどと言うつもりは全くございません。あくまで、妄想・ジョークの類として受け取って頂ければ幸いです。

 

⊡ 果林の競争心

 

果林「気付けば、時が早すぎて切なくなって」

 

 

「なにもかも君とだから、楽しくなる。これから未来がどんな色で光っても」

 

 

これは、Diver Divaの曲「Fly into the sky」の歌詞ですね。

これもやはり、他人との関係性を現わした部分の歌詞を引用したように思えます。言うまでもなく、これは愛さんと川本美里(以下美里)の関係性を現わしていますね。

 

QU4RTZの成功を受け、次のライブのアイデアを話し合う同好会。

 

 

早速愛さんが、「オンラインライブに挑戦したい!」と言います。この世界に恐らくコロナはありませんが、時代を反映したライブの形ですね。

 

エマは果林に「ユニットに興味がないか」と尋ねますが、果林は「私は誰かと気持ちを合わせるより、競い合う方が合っている」と、この時点ではユニットでの活動に消極的です。

 

 

かつて、スクスタストーリーで「ライバルでもある同好会メンバーよりも実力がつくのなら」という理由で、スクールアイドル部へと移籍したという、今でこそ黒歴史扱いされたストーリーがあります。

当時はとんでもなく叩かれた展開でしたが、個人的には果林の性格を考えればそういった行動に出てもおかしくないな、と考えていました。

「仲間であり、ライバル」は果林が言った事です。やはり果林は同好会メンバーの中では、スクールアイドル活動にも一定の「競技性」を求めるという性格なのは、スクスタの時から変わっていないというのがわかります。

 

そしてこの果林の「競争心」が、実を言うと今回で非常に重要なモノとして描かれています。果林の競争心が、美里に大きな影響を与えるのです。

 

⊡ 果林とパンダ

 

OP後、果林のウィンドウショッピングのシーンが挿入されます。

 

 

「果林さんやっぱりパンダが好きだなんて、可愛い所があるなぁ~」というだけのシーンではありません。

見ていればわかりますが、この回にはやたらとパンダのカットが挿入されています。これだけパンダのカットが挿入されているのは、これはもうパンダが何かの象徴だと考えるのが妥当だというのが筆者の意見です。

 

冒頭は、果林が「競い合う方が性に合っている」という「競争心」の話から始まりました。そしてOPを挟んだ後に、上記の果林とパンダのシーンが挿入されました。

大胆な考察だと重々わかっていますが、筆者はパンダが果林=競争心を象徴しているのだと考えています。

これについて、ひとまず頭の片隅に置いておいてください。

 

その後、愛と美里とばったりと出会い、話の流れで3人は遊びに行く事に。

 

 

色々と遊んでいる場面が挿入されますが、最終的にUFOキャッチャーで愛がパンダのストラップを3つ取ります。

 

 

ここだけで、パンダのカットが3つです。そして、ダメ押しと言わんばかりに、パンダストラップがアップになったカットまで挿入されます。

 

 

ここまでやっておいて、もうパンダに意味がないと考える方が不自然です。この時点でやはりパンダは、この回のテーマにおける重要なメタファーとして存在していることがわかります。

 

さて、セリフも見ていきましょう。上のパンダストラップのアップのカットは、以下のセリフの後に挿入されました。

 

「結局引き分けか~」

果林「勝負は次に持越しね」

 

ここでのセリフを見るに、果林と愛は勝負をしていたという事がわかりますこのパンダのストラップは、3人の「勝負」であったり、やはり「競争」といった類の象徴だと見るのが妥当でしょう。

 

⊡ 「前向き」と「後ろ向き」のパンダ

 

スクールアイドルとして活動している愛の事を、美里は果林に聞きます。「歌もダンスもトップで、負けられないライバルだ」と果林は愛を形容します。

それに対して、美里はこの表情。

 

 

場面は変わって、果林は偶然美里と遭遇します。そこで、美里は「昔は海外で働いてみたいって思ってたんだけど……」と、かつての自分の夢について思いをはせている事を吐露します。

そして、パンダのカットが挿入されます。

 

 

この時点ではパンダはまだ、前を向いています。これも大胆な考察ではありますが、パンダが美里の勝負への気持ちだと仮定すると、まだ美里は「前向きだ」ということだと考えています。

 

そして、愛が果林に美里の事を相談する時にも、パンダのカットがまた挿入されました。

 

果林「今は、そっとしておいた方がいいと思うわ」

 

 

果林のセリフ通り、美里は今文字通り「後ろ向き」なので、無理に話さない方がいいのでは、ということだと見ています。はい、相変わらず強引ではありますが、パンダが何かしらの意味を持っている限りは意味を見出したいのです。

 

⊡ 美里の止まった時間

 

ここで美里と愛の関係を纏めましょう。

 

 

まず、愛は元々小さい頃は泣き虫で人見知り。しかし、美里との関係が出来た事で前向きな性格になり、今の自分がある――というのが愛の視点での美里との関係です。

 

 

そして、後にわかる事ですが、美里は体も虚弱で入退院を繰り返していました。学校にも通えず友達もいない中、愛だけが美里と関係を持ち続け、それが励みになった――というのが美里の視点です。

 

これだけ聞くと、お互いがお互いを支え合っているように見えますが、そうではありませんでした。

まず、愛の場合は人見知りだった自分を変えてくれた美里のおかげで社交的にもなり、身体的にも活発になりました。そのおかげでスクールアイドルをもやれているので、言い換えれば、幼少のころから見て愛の時間は美里によって動き出した――とも言えます。

一方で逆なのが美里です。

友達も去っていく中で愛が美里を励まし続けましたが、スクールアイドルなど新しい可能性を見出していく愛に比べ、自分の未来の可能性に絶望してしまった――というのが美里ですこれも残酷な言い方をすれば、美里の時間は愛によって止められたとも言えるのです。(もちろん認知の歪みであることに間違いはありませんが)

 

 

このシーンの木の葉は、かつてあった美里の可能性の象徴だと筆者は考えます。最初にあった木の葉は風で飛ばされ、そして今やわずかばかりの可能性(海外で仕事をする)すら風で飛んで行ってしまう……という、美里の心象風景だと見ていいでしょう。

 

美里「愛ちゃんのことは、これからも応援してるから」

 

そう言って、美里は愛の元を去っていきます。そして、パンダのカットが挿入されます。

 

 

これも非常に難しい所ですが、やはりパンダは後ろ向きなので、美里の「勝負に対する気持ち」は文字通り「後ろ向き」のままである、と筆者は捉えています。

 

⊡ Diver Diva始動!

 

「楽しいことを教えてくれたお姉ちゃんをアタシが傷付けた。そんなアタシがスクールアイドルなんて出来ないよ!」

 

 

傷心の愛は、スクールアイドルを辞めることを宣言してしまいます。

ここで果林は、果林らしい方法で愛を鼓舞します。そう、競争心を煽るのです。

 

 

果林「私がステージに立ってあげる。愛のファンをごっそり頂くチャンスだもの、きっと美里さんも私に魅了されて、ファンになっちゃうわね」

 

そして、果林は「誰も傷付けないなんて不可能だ」と愛を諭します。アニガサキは得てして、非常にシンプルなアドバイスが送られますね。

 

そして、愛は果林と同じステージに立つことを提案します。もちろん果林は最初拒否しますが愛もまた、果林の競争心を煽ることでユニットを結成します。

 

「気持ちを合わせるとかじゃなくて、仲間っていうかライバルとして、同じステージに立って同じ歌で競い合おうよ! 私に火を付けてくれた果林となら、すっごいライブが出来る気がするんだ!」

 

 

この回のテーマである(と少なくとも筆者は思っている)「競争心」を巧みに使い、果林を引き入れることに成功した愛(チョロい)かくして、Diver Divaが始動したのでした。

 

 

⊡ Eternal Light

 

Diver Divaのライブ会場の前に立ち尽くす美里。

本当にしつこいぐらいに、パンダのカットが挿入されます。ここのパンダも、やはり「後ろ向き」です。

 

 

「せめて謝りたくてここに来た」とモノローグで美里は語りますが、「やはり無理だよ」と、否定的になります。しかし、パンダを見ると「前向き」になっているので、セリフと気持ちの乖離が起こっていることがわかります。

 

 

Diver Diva「私たち、Diver Divaです!」

 

 

「みんな~!楽しむ準備は出来てる!? 出来てない人いるんじゃないの?」

 

 

「でも大丈夫! 愛さんの中には、小さいころから貰ってきた、たくさんの楽しいがあるから。それを今からみんなにあげる!」

「明日から一歩でも、進んでみようって思えるような、最高のライブをするから!」

 

 

「だからここにいるみんな、配信のみんな!」

「笑顔になる覚悟は決まった!?」

 

 

そして、またしてもパンダ。前向きになったパンダに、一粒の涙が。

 

 

⊡ 動き出した時間

 

 

「何回パンダが出てくるんだよ!」と突っ込みたくなるぐらいパンダが出てきますが、Diver Divaのライブを見た美里は、勝負に対して気持ちが「前向き」になっていますね。

 

すっかり勝負に前向きになった美里は、夢だった海外での仕事を実現するために、書店で英会話の本を手に取ります。(英会話なんてカンタンダゼ~)

 

 

果林「遅いなんてことないですよ。どんなことだって」

 

今回の一番のメッセージは、果林のこのセリフに集約されていますね。冷静に見れば、美里だって大学生ぐらいの年齢でしょうから、人生まだまだやり直せます。

 

 

以前に果林に会った時も、似たようなカットがありました。その時は動いている飛行機雲と、そうでないモノがありました。今回は、3本目の飛行機雲が動いています。これは勿論、美里の時間が動き出したことの心象風景でしょう。

 

最後に、美里は今の自分の目標が果林であることを伝えます。「果林ちゃんみたいに、愛ちゃんと切磋琢磨出来る人になりたい」と語ります。

そして、美里の「競争心」が完璧に戻ったことを象徴するセリフで、この回は締めくくられます。

 

美里「負けないからね」

 

 

果林「望むところです」

 

 

⊡ おわりに

 

いかがだったでしょうか。

本当言えば、栞子やランジュの考察もあったのですが、今回は割と重い上に難解な話だったので、メインだけにフォーカスするようにしました。

 

今回は、過去のラブライブを振り返ってみても、セリフや心象風景など、随分と文芸的な回だったなぁ~と個人的には感じます。けど、それって筆者の大好物だったりするんですよね! というわけで、4話は今のところ2期で一番のお気に入りです。

 

今回はここまでです。

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました!

次回第5話「開幕!ドリームランド↑↑(*'▽')」でお会いしましょう!

 

さようなら~~!