アニメ虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会2期 第3話「sing! song! smile!」考察 ~"一人だけ"では見えない景"色"~
どうもみなさん、わたしです。
早いものでアニガサキ2期も3話に突入しました。「どんなアニメも最低3話観てその後観るかどうか判断しろ」と名もない偉い人はかつて言いました。
その言葉の真意は、3話目ぐらいでそのアニメが何をしようとしているのか、そして何を伝えようとしているのかが、大体わかる場合が多いからです。
さて肝心の内容ですが、前回と比べたら非常にわかりやすい回だったというのが、誠に勝手ながら筆者の評価ではあります。
というのも、前述した「何を伝えようとしているのか」が映像でも解りやすく表現されていましたし、何より前回と違いセリフで明言されていました。
というわけで、今回は考察というよりは、「伝えたいことがここで表現されてるよ」という纏め記事的な感じになるかと思います。
是非最後までお付き合い頂ければ幸いです。
※ここから先はラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の2期第3話ネタバレを含みます。まだ本編を視聴していない、またはネタバレが嫌だという人は決して見てはいけません。マジで責任は取りませんので、悪しからず。
※基本的にこの考察はただのおっさんの妄想です。ひとりのラブライバーの解釈であり、これが「正解」であるなどと言うつもりは全くございません。あくまで、妄想・ジョークの類として受け取って頂ければ幸いです。
- ⊡ 新しい自分 新しい色
- ⊡ 加わった新しい色
- ⊡ 波及していく"色の融合"
- ⊡ 自分ではわからないこと
- ⊡ ミアに見るプロ意識
- ⊡ 自分ではわからないこと その2
- ⊡ 混ざり合う色
- ⊡ QU4RTZです!
- ⊡ NEO SKY, NEO MAP! & 夢が僕らの太陽さ
⊡ 新しい自分 新しい色
璃奈「大丈夫。どんな時でもひとりじゃない。みんながいる」
かすみ「信じてみて。大事なものは、すぐそばにあるから」
冒頭のセリフですが、前回の失敗を鑑みて今回はサボらずにちゃんと調べてまいりました。これは、QU4RTZの「Sing & Smile!!」の歌詞から引用されてますね。
で、あくまでこのブログは考察ブログなので、「これってこの歌の歌詞だよね」で終わるのではなくて、「なぜその歌詞のその部分が引用されたのか」について考えていきたいと思います。
これは本記事冒頭でもお伝えした通り、このアニメ……或いはこのQU4RTZ回に於いてのテーマに関わることだと見ていいでしょう。
ズバリ言ってしまいますが、少なくとも2,3話でのテーマは「人と関わることによって見えてくる新たな自分や景色」が描かれています。
冒頭に何気ない景色が挿入されているのも、視聴者に「同好会メンバーがいない景色」という逆に「視聴者が見たことの無い景色」を見せたかったのかもしれません。まあ、これはちょっと自信ないですが。
そう考えると、冒頭に例の歌詞を引用したセリフが出てきたのも頷けます。璃奈とかすみのセリフは、どれも他者の関係なくして成り立たないセリフですし、何よりひとりで物事をこなそうとするランジュに対しての強いメッセージとしても機能します。
⊡ 加わった新しい色
いざグループでやってみようと始動したは良いモノの、中々意見が纏まらずメンバーは四苦八苦します。
QU4RTZは見ればわかる通りに、4人中3人が意見の違いで(せつ菜と)衝突した旧同好会のメンバーです。せつ菜がいなければ纏まる……というものでもないようでしたが、旧同好会と違い、QU4RTZには新しいメンバーという色が加わっています。
そう、天王寺璃奈です。
「一日ひとりずつ時間をかけてお互いのやりたいことを発表し合う」という提案をした璃奈。そこから歯車は徐々にですが嚙み合い始めていきます。新しいメンバーを迎え入れたからこそ生み出される化学反応で、QU4RTZは一歩前進することが出来ました。
⊡ 波及していく"色の融合"
1期ではせつ菜の影響が個人それぞれに波及していくというお話でしたが、今期ではQU4RTZがある意味その役を部分的に担っているのではないか、というのが筆者の意見です。
「グループ活動」という、同好会にとって新たな活動形態は、他メンバーにも影響していきます。当然他メンバーも思うところがある……というのは前回でもそれなりに描かれていました。
それが一番露骨だったのが、朝香果林でした。エマを盗られて若干嫉妬してる様子が前回ありました。
エマはQU4RTZの活動で暫くモーニングコールが出来ない事を果林に伝えます。本人は「子どもじゃないから大丈夫」と言いますが、愛さんに「朝7時に電話するように」と真剣な表情で伝えます。
これは「モーニングコール無くても大丈夫って言ったけど、やっぱり一人で起きる自信がないから愛さんに頼もう」なのか。
それとも「愛さんに伝えたいこと、或いは一緒にやりたいことがあるから7時に電話しなさいよ」という意味合いなのか。
今のところどっちとも取れます。恐らくは両方なのでしょうが、このようにQU4RTZに影響されてDiver Divaという「新たな色の融合」が起ころうとしている伏線が、ここで張られました。
⊡ 自分ではわからないこと
さて、ここからはテーマに沿った表現が流れていきます。
まず、みんなにカワイイ衣装を着させるかすみ。最終的に「これでステージに立つのは恥ずかしい」とのことで却下されます。
かすみは「みんなのカワイイをもっと引き出したい」と言います。つまり、これはかすみだからこそ普段他のメンバーでは見えない「カワイイ」があるということになります。
一方で逆もあります。エマはかすみのアルバムに気付き、幼少期のかすみの写真を発見します。
まるで黒歴史を見られたかのように「それは全然カワイくない!」と全力で否定するかすみですが、彼方は「そんなことない」と幼少期のかすみをカワイイと思っています。
言うまでもないですが、これは先ほどと逆の現象で、かすみが普段「カワイくない」と思っているものが、他者の視点や感性からは「カワイイ」に変化するというものです。
⊡ ミアに見るプロ意識
少し飛んで侑とミアの場面。侑は出された作曲の課題にやはり苦戦している模様。
ミアにアドバイスを求めます。「自分でいいと思ったメロディが思い浮かばない」と嘆く侑ですが、ミアは「自分が良いとか別にどうでもいいんじゃない?」と持論を展開します。
ミア曰く、「求められるものに忠実に応えるのが音楽」とのこと。ときに自分の感性を抑えてまで良い音楽(利益の出る音楽)を求められるプロの世界で生きてきたミアならではのアドバイスです。しったかぶりは出来ませんが、恐らくプロの視点としては正しい部分も大いにあるのでしょう。
しかし、侑が目指しているのは「それぞれが自分らしく輝けるスクールアイドル」のための曲であり、スクールアイドルは必ずしもプロではありません。
恐らくこの思想の違いが、後にスクールアイドルという世界に飛び込むミアと侑の大きな差になるのではないでしょうか。
⊡ 自分ではわからないこと その2
4人の気持ちをひとつにしようと、璃奈は所謂「連想ゲーム」的なものを行いますが、案の定4人はそれぞれバラバラの回答をしています。
一方で侑は「求められているもの」というミアのアドバイスに囚われて、こちらも悩んでいる様子。
困り果てた侑は同好会のみんなに悩みを打ち明けます。
(恋人9人に衝撃走る!!)
果林の言う通り「求められることは大事」とミアの言う事を全面的に否定はしないものの、愛は「それだけじゃ物足りない気がする」と言います。
負けじと歩夢も「やりたいことをやってみたらいいと思う」とし、続いてしずくも「大事なのは侑先輩が満足できるかどうか」とアドバイスします。
そして、せつ菜は「必ずしも正解を出すために頑張らなくても良い」と、言います。
お気付きの方もいらっしゃるかもしれませんが、それぞれのメンバーが1期で自分たちがスクールアイドル活動を通して学んだ事を侑にアドバイスとして伝えています。
璃奈が「せっかくなら侑さんらしい曲を聞いてみたい」という提案に対して、侑は「私はみんなみたいな個性ないし」と、発言してしまいます。
ほぼツッコミ待ちのセリフでしたが、その通りに各メンバーが突っ込んでくれます笑。
「よくときめいてる」「人の気持ちがよく解る」「気持ちに寄り添って応援してくれる」etc...など、これもかすみの部屋で起こった現象と同じで、自分ではわからない「自分の良さ」があり、それが「新しい自分」への新しい発見に繋がっていく、今回のテーマが描かれています。
⊡ 混ざり合う色
彼方「実はみんな、人のことは見えてて、自分の事は見えてなかったりするのかなって」
と、彼方ちゃんがこれまたストレートに今回のテーマをセリフで言ってくれます。
この流れでかすみは「みんなから見たかすみはどんな感じ?」と、問いかけます。「本当は凄くみんなの事を考えてくれる」と彼方は答えます。
続けてかすみも「彼方はマイペースに見えて本当は凄くお世話好き」と彼方を表しますが、彼方は「違うよ~」と否定します。しかし、これには他メンバーも同意。これもまた、自分では自覚がない、他人の視点からしかわからない特色だと言えます。
続いてエマは「いつもポカポカだけど、芯がしっかりしてる」や、璃奈は「引っ張るタイプ」と、次々と新しい色が引き出されていきます。
エマ「自分のやりたいことを発表する合宿だったのに、最後はみんなから自分の事を教えてもらう合宿になったね」
彼方「でも何か見えた気がするよ~」
かすみ「ソロの時は、自分のやりたい自分だけど……」
璃奈「一緒になると、新しい自分を見つけることが出来る」
上記のセリフが表すように、「自分のやりたいことをやる」という"芯"は大事にしながらも、「ひとりだけだと分からない事もあった」と、これまでのソロ活動を否定せずに新しいグループ活動の道を見つけることが出来たQU4RTZ。
紅茶とミルクが混ざり合ったカットが挿入されたのも、「自分」と「他人」というそれぞれの色が混ざり合って新しい「色」になるというメタファーですね。
これは、侑が悩んでいた事、そして頑なに他者と密接に関わることを拒むランジュとミアに対する一種のアンサーでもあります。
上記セリフの様に侑はやりたいことをやり続け、(同好会と)一緒になることで新しい自分や新しい他者の特色をどんどんと引き出す一方で、ミアとランジュは……というのが今後予想される展開なのかもしれません。
⊡ QU4RTZです!
QU4RTZ「私たち……QU4RTZです!!」
前回の記事でもちょろっと書きましたが、公式でアニメストーリーにユニットが登場するのはラブライブシリーズ初めての事です。
「μ'sも合宿でユニットごとに行動してたじゃないか!」という反論が聞こえてきそうですが、あれはあくまでたまたま3人に別れたらユニットになったという体のファンサービスですし、なによりそれぞれのユニットの名前を名乗っていません。
今回初めてユニットが「きちんと名前まで出してユニットとしてストーリー上で活動した」というのは、ラブライブシリーズにとって大きな動きだと個人的には思うのです。
さて、話を戻しましょう
このブログは普段あまり歌詞の考察というものをやらないのですが、今回は「ランジュに届けたい歌」というストーリー上の意味合いもあるので、一部抜粋してちょっとだけ考察します。
Alright 大丈夫さ たまには頼ったってOK
Be yourself それぞれの形が 気付かせてくれた
ひとりだけじゃ見えなかったパノラマ
全部引用すると色々とややこしい問題に直面するので、ストーリーと関わり合いの強い部分だけを少しだけ引用してみました。まあ、やはりというか、「ひとりでは見えない景色だってあるんだよ」という具合の意味合いですね。
特にランジュに強いメッセージとして発せられたと捉えられる部分は、冒頭の「Alright 大丈夫さ たまには頼ったってOK」というところでしょうか。「あなたには一人でやらないといけない何かしらの事情があるのだろうけど、私たちを頼ってくれていいんだよ」という意味にも取れます。さすがに妄想がすぎますかね。
このパフォーマンスを見て、ランジュは「私にはマネできないライブだった」と、QU4RTZを認める一方でこの表情です。
「でも……」と何か言いたげなランジュ。やはり彼女には、簡単には譲れない何かしらの事情や信念があると見て間違いないでしょう。果たしてそれが明らかになるのはいつなのでしょうか。私としては11話ぐらいかな~とみてます。先は長いですね。
そしてこのライブを見て、なにやら侑も決意を固めたようで……
⊡ NEO SKY, NEO MAP! & 夢が僕らの太陽さ
課題で侑が披露したのはなんと1期のED曲「NEO SKY, NEO MAP!」でした。
侑「どこに向かうかわからないけど、面白そうな未来が待ってると、笑い合えるみんなが居れば……私は!」
このセリフは当然、上記楽曲の歌詞から引用されているセリフですね。「不安があっても、みんながいれば大丈夫!」という希望に満ちた歌詞が引用されていて、今後の侑の活躍が期待させられるセリフでした。
ちなみにここでこの曲を敢えて出してきたのも、やはり今後の方向性が「それぞれの色」よりかは「色の融合」なのだという暗示なのかな、と筆者は見ています。
1期ED「NEO SKY, NEO MAP!!」では、メンバーがそれぞれのイメージカラーの傘を持って登場します。歩夢だとピンクですね。
しかし、今期ED「夢が僕らの太陽さ」では、メンバーはそれぞれの色ではなく、色んな色が混ざり合った虹色の花をもって登場します。
これは、やはり今期のテーマが「それぞれの特色」よりも「色が混ざり合う」という、「個性の融合」にテーマが移り変わっているからだと見ています。
こんなところにも、今期のテーマ性が"色"濃く現れましたね。
というわけで、今回の記事はここまでです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました!!
それでは次回第4話「アイ Love Triangle」でお会いしましょう。
さようなランジュ~~~!!