スクールアイドル研究所

ラブライブシリーズのアニメ考察がメインです。考察という名の妄想ですが……

アニメ虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会2期 第2話「重なる色」考察 ~ランジュの大きな矛盾と違和感~

どうも、わたしです。

 

さっそくですが、皆さんアニガサキが楽しみで仕方ないって顔をしていますね。顔を見ていませんが、私にはわかります。

 

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さて第2話ですが、もうこの時点で第1期とは違ったスタイルになっていて、ある程度今後の方向性みたいなのも見えてきました。皆さんもお気付きだとは思いますが、一応後述いたします。

 

今回気になったのは、前回に引き続きランジュです。ある程度意味深な展開が中盤以降に展開されていて、今期の虹ヶ咲は1期と比べて非常に連続性のあるストーリーとなっています特に、ランジュに関してはその傾向が強いです。先ほど記した、今後の方向性とも関連する話なので、こちらについても書いていきます。

 

肝心の本編ですが、これまたちょっと難解なセリフ回しがあり、そのセリフが意図していることを別のセリフで説明するといった事がありませんでした。なので、久しぶりに「ボケッとしていたら分からなくなる回」と言っても良いのではないでしょうか。

 

なので、今回はその部分を詳しく考察していけたらと思います。

 

※ここから先はラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の2期第2話ネタバレを含みます。まだ本編を視聴していない、またはネタバレが嫌だという人は決して見てはいけません。マジで責任は取りませんので、悪しからず。

※基本的にこの考察はただのおっさんの妄想です。ひとりのラブライバーの解釈であり、これが「正解」であるなどと言うつもりは全くございません。あくまで、妄想・ジョークの類として受け取って頂ければ幸いです。

 

 

⊡ QU4RTZ登場 物語はユニットが描く社会性へ

 

勘の良い方なら前回の次回予告の時点で察していたかとは思いますが、今回からどうやら彼方、エマ、かすみ、璃奈の4人ユニット・QU4RTZ(クオーツ)が登場するようです

何故次回予告の時点で察することが出来たのかというと、次回予告の声を担当していたのがエマと彼方だったからです。そして、今回の次回予告の声を担当していたのはかすみと璃奈でしたね。こういったところからも、今期の方向性はある程度見えてきています。

即ち、今期ではユニットにフォーカスが当たっています。これは、勿論スクスタストーリーの流れを汲む形になっていますそういう意味でも、やはり今期はスクスタストーリーのリメイクと言えるのかもしれません。

 

話を本編に戻しましょう。物語のメッセージを汲み取る上で重要なのは、このブログではお馴染みの「冒頭のセリフに注意する」というヤツです。ではさっそく、冒頭のセリフを見ていきましょう。

 

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彼方「みんなとなら、見慣れた街だって、まるで違う景色になる」

 

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(意図的かはわかりませんが、ポールの数は4つ)

 

エマ「それぞれの色が混ざり合う、明日を作ってみよう」

 

追記:Twitterで有志の方から教えて頂きましたが、このセリフはQU4RTZの「Sing & Smile!!」の歌詞から取られているようです。色々な事情故に筆者はユニット全ての曲や歌詞を把握しているわけではありません。今後、冒頭や怪しいセリフは、何かしらの歌詞から取られているという視点で観ないといけませんね。

※ ↓ここからは、「歌詞である」という視点が抜けていますが、言ってることは的外れではないと思うのでそのまま載せます。

 

さて、この2つのセリフだけですが、若干想像力を膨らませてメッセージを汲み取っていきましょう。

1期ではスクールアイドル同好会の特色でもある、「個人」にフォーカスが当たっていました。何故なら1期は「日常が変わる」というのがテーマになっていましたので、その性質上どうしても「個人」を描かざるを得ないという事情もありました。

1期が「日常を描いている」という考察については、以下の記事を参照してください。

 

jmusublog.hatenablog.com


今期では上記彼方とエマのセリフからもわかるように、ある程度「グループ」や「複数の人間との関係性」についてフォーカスが当たっているのではないでしょうか。

そうすることで、1期で描いた「個人の確立」から「社会性の取得」というメンバーそれぞれの成長を描くことも出来ます(ちなみにこれは子供が幼稚園や保育園に入ると、自然と培われる成長の過程だったりします)。

更には、人との関係が濃くなることにより、また新たな「日常の変化」が描かれているというのも、彼方のセリフ「違う景色になる」やエマの「それぞれの色が混ざり合う明日」というところからわかります。

そしてなにより、1話でランジュが貫いた「ひとりでやる」という個人主義との対立がストーリー上で成り立つからです。(対立と書くとかなり語弊がありますが、便宜上そう表現させて頂きます)

 

同好会の良いところですが、別に個人に拘っているわけではなく、「やりたいことがあるのであればそれをやればいい」というスタンスで、個人もグループも否定していないことがわかります。まさに虹が描くDiversityというわけですね。

 

どうでしょうか? たった2つのセリフですが、わかることは色々あります。まあ、妄想だと言われればそれまでですが(笑)。

 

⊡ 同好会を敵視しないランジュ

何か思うところがあるのか、エマは改めてランジュを同好会に誘いますが、即答でお断りされてしまいます。

 

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同好会と同じステージに立つのは、SIFまでに取っておきたいと言うランジュ。

 

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注目したいのは「同じステージに立つ」というのが、スクスタと違い、必ずしも「対決」という意味で使われていないのではないかと、アニガサキのランジュからは感じてしまいます。

この後かすみたちはランジュを尾行しますが、ランジュはライブの寄り道に現同好会メンバーのアクスタを全員分買っています。

 

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この行動からも解る通り、ランジュは決して「同好会を敵視していない」というのがわかります。これが今後のキーポイントです。

これについては、後述します。

 

⊡ 音楽科と同好会の両立に苦戦する高咲侑

さて、今期のもう一人の主人公である侑ですが、1話で本人が言っていた通り、早くも小テストに苦戦しています。

 

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「音楽科と同好会の両立はあまり上手くいっていない」というのが引き続き描かれました。このシーンは侑とミアの邂逅だけを描いても良いシーンなのですが、侑の苦戦している姿が挿入されているのは、やはりその事実がそれなりに重要なファクターとして今後扱われるからと見て良いでしょう。

 

⊡ ミア・テイラーと鐘嵐珠の関係性

ミア・テイラー(以下ミア)にも少しだけ触れておきましょう。音楽一家として有名なテイラー家の娘であると、第2話で判明しました。

 

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侑にランジュとの関係性を聞かれると、ミアは素っ気なくこう応えます。

 

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ミア「日本に来たのはきまぐれさ。それに、僕とランジュは友達じゃない」

「彼女は僕の曲を歌いたい。僕は彼女を通して作った曲を広めたい。僕自身を皆に認めさせるためにね。それだけの関係さ」

 

まず、このセリフから注目するポイントは2つ。

ひとつに、ランジュは「友達ではない」として、それぞれの目的の為に協力しているだけなのだと「関係性の薄さ」を強調しています。

これは冒頭の彼方とエマのセリフの「人間との関係性の先にある景色」の対極にある「個人主義」を現わしています。もちろん、1期の時点ではそれでよかったのですが、2期では同好会は恐らくその次のステージに立つのだと予想されます。こういうところからも今期では「個人では見ることが出来なかった景色」を描こうとしているのだとわかります。

 

そしてふたつめに、「僕自身を認めさせる」という部分ですが、まあこれはテイラー家の確執とのことを言っているのだと見ていいでしょう。これについて今の時点で出来る考察はそんなところでしょうか。

 

⊡ ランジュの矛盾と違和感

 

ライブ後、QU4RTZの4人を自宅に招くランジュ。ランジュのセリフから、ランジュが目指しているスクールアイドル像の片鱗が見て取れます。

 

ランジュ「ショウ・ランジュは集まってくれたファンに最高のパフォーマンスを見せる。そしてファンは、ショウ・ランジュのステージに満たされる。私に注目する皆の顔を見るのは、最高の気分よ」

 

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「きっかけを与えてくれたあなたたちには感謝してるわ。でも、私はこれからも同好会とは違うソロを追求していく。私自身を証明するためにね」

 

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これに対して、エマは「本当にひとりでやりたいの?」と疑問を呈します。実を言うと、ランジュのセリフには大きな矛盾と違和感が存在します。もう少しだけ見てみましょう。

 

ランジュ「私はソロでやりたいの。そのために日本に来た。もし同好会に入ってたら、今みたいに自由なステージだって出来なかったわ」

 

これに対して「同好会はそんな場所じゃない」と反論するのは璃奈です。

 

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自分がスクールアイドルを続けられるのも、同好会だからだった。だから、ランジュもそのままで一緒に同好会で活動できるはずだと、続けてエマも主張します。

しかし、ランジュはこう続けます。

 

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ランジュ「一緒にしないで!」

「変な事を言うのね。あなたたちも同じスクールアイドルでしょ? なのに、人のことばかり気にして……。私は自分の足で高みに上りたいの。ファンと一生なんて言ってる同好会に入ったら、パフォーマンスにも悪影響が出るわ」

そして、彼方も「そんなことはない」と、やんわり否定します。

と、まあちょっと長いセリフが続いたのでまとめましょう。

かすみ以外は、ランジュの矛盾に気付いています(正確に言えばかすみも違和感に気付いていますが、いまいち咀嚼しきれていません)。ここでちゃんと理解しておかないと、このシーンのかすみのようになってしまいます。

 

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まず、最初にランジュは自分のステージで満たされて、自分に注目するファンの顔を見るのは「最高だ」と、ファンとの関りに対して肯定的です。

にもかかわらず、後半では「人のことばかり気にする」エマを否定し、「ファンと一生なんて……パフォーマンスにも悪影響が出る」と、ファンや他者と関わる事に対して否定的になっています。

 

そして、「ソロでやりたいから日本に来た」というセリフに関しては、これ自体がそもそもおかしな発言です。ソロでやりたいなら、それこそわざわざ同好会のいる日本に来る理由がありませんし、SIFに出たいだけなら虹ヶ咲学園に入学して同好会と関わり合いを持つ必要もありません。中国でもやろうと思えば、スクールアイドル活動は出来るはずです。ラブライブを目指してるワケではないのなら尚更です。

 

付け加えるならランジュは「私自身を証明するために」とも言っています。これは先ほどのミアと同じく、「ファンを喜ばせたい」など、他者との関係性よりは「非常に個人的な理由」で日本へ来たことへの示唆でもあります。ただ、これについては先ほどのミア同様に、現時点で汲み取れることが少ないので考察はここまでにします。

 

以上を纏めると、こうなります。

 

まず、ランジュは同好会に対してこだわりがあって、日本にやってきた。

同好会のグッズを購入していることからも、同好会に対しては敵意よりもむしろ好意的であることが伺えます。

そして、同時にランジュは「同好会に所属せずソロでやる」ことにもこだわりがあります。

結果、「同好会が好きなハズなのに、同好会とは距離を置く」、更に言えば「好きなハズのファンに対しても一定の距離感がある(あるいは主張している)」という「違和感」だけが残っているのです。

 

こういう違和感があるからこそ、後の公園のシーンでエマは「本当の事を言っていないんじゃないか」と言ったり、彼方は「わかることもあるけど、わからないこともある」と表現しています。

 

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何か違和感を残しながらも、考えの違いがハッキリと浮き彫りになった形です。

ランジュはこう提案します。

 

ランジュ「そこまで言うのなら、証明して見せてくれる? スクールアイドルなら、やり方はわかるわよね?」

 

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これは当然、「言いたいことがあるならライブで表現しろ」という、ラブライブシリーズの世界観に沿った発言ですね。これは、虹ヶ咲の世界観を考察した記事でも書いているので、良かったら参考にしてください。

 

jmusublog.hatenablog.com

 

⊡ QU4RTZ始動

ランジュから本音を引き出すことを決めた4人。かすみも重要な事を言います。

 

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かすみ「今になってみたら、かすみんはちょっと物足りないかなって。パフォーマンスは確かに凄かったけど、ファンとの距離?がもっと近い方が良かったかなぁ」

璃奈「それって、ファンのみんなと気持ちを繋げたいってこと?」

 

と、ここでもファンとの距離感について言及されています。1期から、ファンとの交流を細かに大事にしていたかすみだからこそ気付いたというところでしょうか。

ランジュも、別に他人に対して関心が無いわけではありません。1話ではいきなり歩夢に抱きついたりと、むしろ好奇心旺盛です。繰り返しになりますが、やはりランジュの人懐っこさと、距離感のギャップに違和感を感じます。

 

かくして4人は「人との繋がり」をテーマに、ソロではなく一緒にステージに上がる事にしました。

余談ですが、ユニットが公式でアニメストーリーに組み込まれたのは、ラブライブシリーズでは初のことですね。これで、QU4RTZというユニット名が出れば完璧ですが、果たして……。

 

⊡ 終わりに

 

いかがでしょうか。

色んなことが表現されて、これからの展開にも期待がかかりますが、結局のところ同好会の精神はかすかすの言ったセリフに集約されていると思います。

 

かすみ「だって、同好会は色んなアイドルがいられる、最高の場所なんですから!」

 

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ランジュにこの想いが伝わるかどうかが、今後のポイントですね。

 

それでは、今回はここまでです。

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました!!

それでは次回、「sing! song! smile!」でお会いしましょう!!

 

さようなら~~~!!