スクールアイドル研究所

ラブライブシリーズのアニメ考察がメインです。考察という名の妄想ですが……

アニメ虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会2期 第1話「新しいトキメキ」考察 ~ワガママを貫く2人の主人公~

どうも、わたしです。

 

ついに虹ヶ咲の2期が放送開始となりました。皆さん色んな意味でドキドキしながら観ていたのではないでしょうか。私もそうです。

 

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さてさて、1期と同様に2期の1話も重要なものになりました。この1話の構造を理解せずにこれから2期を見進めていくと恐らく混乱します。

1話はある程度筆者も予想した通り、新キャラクターであるランジュと侑の関係……というよりは思想の違いが強調されました。1話でこれが描かれたという事は、この2人の考えの違いが非常に重要になってくるという事です。

 

そこで、今回は2期1話で抑えておくべきポイントであるランジュと侑、そしてちょっとした今後の考察も進めていきたいと思います。なにぶんまだ1話しか公開されていないので、断言できない事もありますがよければ最後までお付き合いください。

 

※ここから先はラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の2期第1話ネタバレを含みます。まだ本編を視聴していない、またはネタバレが嫌だという人は決して見てはいけません。マジで責任は取りませんので、悪しからず。

※基本的にこの考察はただのおっさんの妄想です。ひとりのラブライバーの解釈であり、これが「正解」であるなどと言うつもりは全くございません。あくまで、妄想・ジョークの類として受け取って頂ければ幸いです。

 

⊡ 海外からやってきた"嵐" ショウ・ランジュ

いきなりなにやらバトルアニメのような展開になってさっそく動揺した方もいらっしゃるとは思いますが、当然ながらバトルアニメに方向転換したわけではありません。これは次回のスクールアイドルフェスティバルの宣伝動画ということだそうです。相変わらず高校生とは思えないクオリティを発揮していますが、このアニメではよくあることです。

 

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(これは言うまでもなく、第1期OPから服装なりを持ってきていますね)

 

1期はスクールアイドルフェスティバル(以下SIF)が終わったところで終了しました。

SIFは第2回の開催が早くも決定しているようです。

 

SIFは優木せつ菜の影響が波及的に拡がって起こった大きな現象というのが、このブログの解釈です。

そして当然、その波は海外にまで拡がっていきました。

その結果新たに引き寄せられたのが鐘嵐珠(以下ランジュ)と、ミア・テイラー(以下ミア)というのが1話の冒頭です。

 

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そして侑は音楽科に転科したということもあり、ピアノの練習や勉強と忙しい日々を過ごしているようです。

 

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しかし、その2刀流(といっていいのかわかりませんが)はあまり上手くいっていない様子。本人は歩夢に心配を掛けないように「大丈夫」と言ってはいますが、小テストでは赤点を取る始末です。

 

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それのどこが大丈夫なのでしょうか? 視聴者の不安を煽ります。

 

さて、ここで第1話までの筆者の印象を記しておくと、恐らく第2期の主人公は高咲侑とランジュの2人です。この2人が持つ主人公特有のワガママをいかに貫き通すのか、というのが恐らく第2期のテーマなのではないでしょうか。

 

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ちなみに、ラブライブの主人公がワガママという考察は以下の記事を参考にしてください。

 

jmusublog.hatenablog.com

 

⊡ 強調される"ファンの存在"

 

第1話ではファンとの交流シーンも挿入されていました。1話は纏めてしまえば「宣伝動画を流すまで」がゴールになっているので、言ってしまえばこんなシーンを挿入する必要はありません。

 

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しかし、実際にこのシーンが流れているという事は、それなりの意味があって挿入されたシーンだと考えるのが妥当です。

ランジュも合流し、同好会は宣伝動画を流す前にチラシを配りに行きます。しかし、そこでランジュはこの表情。何か思うところがある様子。

 

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そして極めつけはこの3人のやりとりです。見てみましょう。

 

ランジュ「どうしてスクールアイドルじゃないのに、同好会にいるの?」

 

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「私はスクールアイドルから夢を貰ったんだ。だから今は、夢をくれたみんなを応援したくて同好会にいるんだ」

 

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歩夢「私も同好会のみんなも、侑ちゃんや沢山のファンに支えてもらってるから、スクールアイドルでいられるの」

 

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ランジュ「ファンがアイドルを支える……ね」

 

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と、ここでようやくランジュが「ファンがアイドルを支える」という構図に納得がいっていないということがわかりました(後々ハッキリと言われますが)。先ほどからチラシを配ったり、写真を撮ったりとファンとの交流が強調されたのも、「同好会(スクールアイドル)はファンによって成り立っている」という図式をハッキリさせるためですね。

 

⊡ ファンの力を必要としないランジュ

かすかすの大失態により、NGの宣伝動画が流れてしまいました。

 

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せっかく注目されていた同好会でしたが、この失態によりその場にいた人たちに本来の同好会の宣伝をすることが出来なくなってしまいました。

 

どうにか時間を延長できないかと、たまたま居合わせた三船栞子に頼む侑。ここでの栞子のセリフも結構含みがあります。

 

栞子「特別扱いは出来ないんです。ここに集まった人の多くは、スクールアイドルだけを見に来たわけではありません」

 

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何気なく発した栞子のこのセリフですが、言い換えればこの場に居た人たちは別にスクールアイドルのファンではないということでもあります。

ファンの注目が集まらなければ、途端に無力となってしまう同好会。「ファンに支えられている」というのは言い換えれば、「ファンが居なくなってしまえば何もできない」ことへの裏返しでもあります。

 

その対極にいるのがランジュです。

 

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ランジュ「大家注意就这么回去的话就亏了(アテンション このまま帰ったら損するよ)」

「露一手给你们看看(ここで一つ見せてあげるわ)」

Twitterより りんりん翻訳あり さんのツイートから引用  

 

ランジュはスクールアイドルとしてのパフォーマンスを一度もしていません。つまり、ランジュはファンが一人もいない状態でしたが、「ファンがいない」という圧倒的な無力感をパフォーマンスで変えることに成功しました。

 

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ランジュ「歡迎來到我的天地 (私の世界へようこそ)」

「我就是那麼完美 (私は完璧だ)」

「這地球就是繞著我轉 (この地球は私を中心に回っている)

「怎樣?不錯吧(どう?悪くはないでしょう?)」

Twitterより 麻海 もち Mau Mochi さんのツイートから引用

 

⊡ 早くも見えるせつ菜VS栞子

 

ちなみに、栞子に「講堂以外で歌うことは禁止」として反省文の提出をこの後求められます。

 

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同好会で講堂以外で歌っていた人の代表は……そう優木せつ菜ですね。このランジュのパフォーマンスは優木せつ菜の役割も果たしています。高低差のあるステージは1期1話と3話の優木せつ菜のステージの再現ですし、狂言回しとしての役割もキチンと担っています。

 

つまり1期で優木せつ菜がやっていたことは「校則的には許されるものではなかった」という事がここでわかります。その行動をキッチリと咎める栞子という存在がここで表れています。

校則を破る優木せつ菜(中川菜々)と校則を遵守する三船栞子と、早くも対立した両者の構図が見えてきました。現時点で栞子は恐らく生徒の規律を守るはずの生徒会長・中川菜々が校則を破った優木せつ菜だということを知りません。

スクスタの流れを汲み取るための伏線が、もうここで登場しているわけですね。アニメで栞子はせつ菜の事をどう思っているのでしょうか? ここにも今後注目していかなければいけません。

 

⊡ 夢を与えるランジュ 夢を応援する侑

 

話をランジュに戻しましょう。「同好会へようこそ」と同好会に入るのが当たり前かの様に勧誘する歩夢の申し出をサラリと断ってしまうランジュ。

 

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前述したようにランジュの力が持つ最大の特徴は、「ファンを必要としない(ファンを力の源としない)」事にあります。同好会と対極にありますし、もっと言うと高咲侑とも対極の存在にあるわけですね。

 

ランジュ「私は誰よりも、みんなを夢中にさせるスクールアイドルになりたい。アイドルがファンに夢を与えるのはすばらしい事よ」

 

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「でも、与えるだけでいい。誰かに支えられなきゃ、パフォーマンスも出来ないアイドルなんて情けないわ」

 

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有言実行とはまさにこの事でしょうか。先ほど「観てもらう事が前提だった」条件が崩れた同好会は、ファンの注目を集めるのに何もすることが出来ませんでした。しかし「ファンの支え」とは無関係に力を発揮できるランジュは、パフォーマンスで人々を夢中にすることが出来たのです。やはり、ライブの後では説得力が違います。

 

そのうえで、ランジュは侑にこう問いかけます。

 

ランジュ「もう一度聞くわ、侑。あなたはどうして同好会にいるの? 私はスクールアイドルにトキメキを感じて、やりたいと思ったからここまで来た。でもあなたの夢はスクールアイドルじゃないのよね? だったら同好会を離れて、その夢を真剣に追い求めるべきよ」

 

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ここで抑えておきたいポイントが2つ。まず、ランジュは「トキメキを感じて、やりたいと思ったからここまで来た」と言っています。これは1期で「好きを感じたのに、前進できない」と吐露した歩夢にせつ菜が投げかけた答えである「好きになったら貫くのみ」という姿勢を現わしています。

誰に言われたわけでもなく、せつ菜の言葉を体現するランジュ。ここでも、「侑(歩夢)を導く」という1期でせつ菜が担っていた役割を引き継いでいることがわかります。

 

そして、もうひとつ抑えておかなければいけないのは「侑の夢は何だったのか」ということです。「みんなを応援する」という我々ファンの立場から生まれたキャラという性質上、そこにばかりフォーカスが当たってしまうキャラですが、忘れてはならないのは1期で「音楽をやってみたい」というもう1つの夢があるということです。

 

侑に関しては、公式の以下動画が割といい感じに纏めてくれているので、これを見れば約1分で1期侑の思想の流れをたどることが出来ます。

www.youtube.com

 

スクールアイドルから夢を貰った侑は、「音楽をやりたい」という夢を貰ったいわば"恩返し"的な意味から同好会に在籍し、同好会メンバーをサポートしています(少なくともランジュにはそう思われているっぽいです)。

しかし、せっかくスクールアイドルから与えられた夢を「スクールアイドルを支える」ことに注いでほしくないのというのが、恐らくランジュの考えです。なぜなら夢(好きな事)が出来たのなら「それを貫くのみ」というのがランジュの姿勢なのです。夢を与えた人には、その夢に向かって突き進んで欲しいからこそランジュは「夢を与えるだけでいい」と言ってるわけですね。ランジュは「支えてもらう事」を前提にしない、ただ無条件に夢を与え続ける存在だというのがわかります。

 

⊡ 全てを叶える究極のワガママを貫く高咲侑

 

普通の人間ならば「スクールアイドルを支える」事と「与えられた夢を叶える」という2つの事柄は、お互いが足を引っ張り合って矛盾するものです。しかし、侑の場合は違います。この2つが矛盾しないのが高咲侑というキャラクターであり、「スクールアイドル同好会」なのです。

 

「確かにランジュちゃんは凄いよ。ライブでも言葉でも、あんなに自分を堂々と表現できて。でも、やりたいことをやりたいっていう気持ちだったら、私だって負けてないつもり」

「今は全然だけどね。私だって私のやり方で、この同好会で夢をかなえたいって思ってる」

 

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つまり、侑は「みんなを応援する」というファンとしての夢と「音楽をやりたい」というどっちの夢も叶えるということをここで宣言しています。

いや、正確に言えば「やりたいことをやる」というのが侑の夢でもあり、それが同好会の存在意義です。「どれかを諦める」という選択肢は侑の中には存在せず、それが「好きを貫く」侑のワガママであるわけですね。

 

そして、それに対してランジュはこう返します。

 

ランジュ「私は私の正しさを、SIFまでに証明してみせるわ。SIFで一番注目を集めるのはこの私よ」

 

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この考えを同好会(侑)は否定しません。1つに同好会は「やりたいことをやる」部活なので、ランジュのやりたいことがそれならば当然否定はしません。

そしてもう1つに、SIFについて侑が語っていた「SIFは好きっていう気持ちがあれば、誰でも参加できるお祭りにしたい」という言葉通り、別に部に所属していなくても問題はないわけですね。侑の「スクールアイドルを応援したい」という夢をかなえるために、ランジュを否定しないわけです。ここでも、侑のワガママを貫く姿勢が見て取れます。

 

余談ですが、SIFとラブライブの違いはここにあります。部としての優劣を決めるわけでもなく、個人が輝くフェスというのが恐らくSIFの存在意義なのでしょう。まさに、今までのラブライブシリーズとは全く違う方向性ながらも、ラブライブの世界観を壊さず新しい世界観を拡げている事に成功している虹ヶ咲。いや、すばらしいですね。

⊡ おわりに

 

というわけで、お互いがお互いの「やり方」で「やりたいことをやる」というのが、2期の図式なのでしょう

今後侑とランジュの2人のこの考えの違いがメインとなり、それに対してのそれぞれのメンバーの答えみたいなのも描かれるのではないでしょうか。

 

そしてこれはあくまで今のところの筆者の印象ですが、ランジュはどちらかというと「スクールアイドル」というよりは「アイドル」という存在に近いのではないでしょうか?

というのも、スクールアイドルには「みんなで一緒にかなえる」という、初代ラブライブから大切にしていた要素があるからです。その部分が今後どう表現されていくのか、そしてランジュはその要素をどう受け止めるのか、というのも今後注目していくポイントな気がします。

 

いや、まさに十人十色、いや十二人十二色ともいえるダイバーシティ(Diversity)が描かれていて非常に良いスタートが切れたのではないでしょうか。皆さんはどう思いますか? よければコメントで教えてください。

 

それでは、今回はここまでです。

 

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました!

それでは次回第2話「重なる色」でお会いしましょう!!

 

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拜拜!!(バイバイ)