スクールアイドル研究所

ラブライブシリーズのアニメ考察がメインです。考察という名の妄想ですが……

アニメ虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 第5話 今更考察 ~エマと果林の対比~

どうも、わたしです。

 

あけましておめでとうございます。昨年度から当ブログをご愛読頂いている方々に尽きましては、今年が実りある健康的な1年になりますよう願っております。今年もよろしくお願いします。

 

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さて、挨拶はこれぐらいにして、第5話の考察です。

と言っても、考察という考察もあまりありません。

というのも、第5話は割と難しいことは無く、ストレートにストーリーなども楽しめる回になっています。最後の方でちゃんと果林がセリフで状況を説明してくれるからです。

 

とは言え、じゃあ考察しませんさようなら、という訳にもいきません。

この回はこの回で見るべきポイントというものがあるので、そこをしっかりと見ていきましょう。

 

第5話はスイスからの留学生エマ・ヴェルデとその親友・朝香果林にフォーカスが当たった回です。

 

この回のポイントは、果林は何故あそこまでエマに冷たくあたっているのかというところにあります。前述したように、果林がセリフで説明してくれるので理解するのは難しくありません。

果林の唐突な冷酷さに戸惑う視聴者も多かったと思いますが、それをなぜ描いたのかは、このブログで散々取り上げているアニガサキのテーマを考えて頂ければ解るのではないかと思います。

 

というわけで、この記事ではそこらへんのところを中心に取り上げていきたいと思います。今回は、結構気楽です。

 

※ここから先はラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の第5話ネタバレを含みます。まだ本編を視聴していない、またはネタバレが嫌だという人は決して見てはいけません。マジで責任は取りませんので、悪しからず。

※基本的にこの考察はただのおっさんの妄想です。ひとりのラブライバーの解釈であり、これが「正解」であるなどと言うつもりは全くございません。あくまで、妄想・ジョークの類として受け取って頂ければ幸いです。

 

 

⊡ エマと果林

 

エマ「どこまでも広がるスカイブルーの空。眩しすぎて見えなかった。アイドルになった私に、どんなことが出来るのか」

 

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さて、お約束となっていますが、最初のセリフは聞き逃さないようにしましょう

スクールアイドルになるためにスイスから留学してきたエマ。アニガサキのテーマである「日常を変える」という現象は、エマにとって日本という異国の地に足を付けたその瞬間から始まったと言っていいでしょう。

上記した冒頭のセリフも、日常が変わり、未来への期待感を彷彿とさせるエマらしいセリフです。

 

冒頭のセリフがやはりポイントなのですが、エマは「変わった日常に対して期待を膨らませている」というのが重要です。

それ自体は、第5話にもなったアニガサキでは今更さほど珍しいことではありません。第5話は、「誰しもが日常を変えることに肯定的ではない」というのがテーマになっています。

 

日常を変えることを躊躇う人物とは……そう、朝香果林です。

 

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第5話でこの2人が何かと対比として描かれているのはこのためです。

冒頭部分でわかりやすく描かれたシーンが、エマが卵かけご飯を食べるというシーンです。

 

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「スイスにいた時からずっと憧れていた」というセリフからもわかるように、エマにとって卵かけご飯は未知なる存在であり、その未知なるモノに対して挑戦することにエマはあまり躊躇がありません。

 

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その一方でスクールアイドルに興味があるにも関わらず、中々一歩を踏み出せない。或いは、自分の気持ちに素直になれずに足踏みをしているのが朝香果林だった……というのが今回のお話です。

こう考えるとこの回はエマの回でもあり、果林の回でもあるわけですね。

 

ちなみに、「卵かけご飯ぐらい、頑張ればスイスでも出来るんじゃ?」と思った方にちょっとだけ海外事情の解説をすると、一般的に海外では生卵を食べる風習がありません。

食文化の違いもありますが、主に衛生面の理由からです。私がアメリカにいた時は、卵がサルモネラ菌などに汚染されている確率が日本よりも圧倒的に高い……との情報が現地学校から発信され、「卵かけご飯を食べないように」と日本人向けにアナウンスもされました。もちろん国にもよるでしょうし、私もスイスの衛星事情を全て把握したわけではないので断言はできませんが、そういう理由から「卵かけご飯なんて気持ち悪い」と感じるのが海外の多くのリアクションではないでしょうか。

 

そんな細かいことまでアニガサキのスタッフが把握してこのシーンを挿入したとは到底思えませんが、とにかくここでは卵かけご飯が「挑戦」のシンボルとして描かれていました。

 

⊡ 広がっていく優木せつ菜の影響

 

後にわかることですが、果林は親友のエマの影響もあって、スクールアイドルに興味を持ち始めます。

 

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しかし、これは当然エマの影響だけではありません。果林もやはり、優木せつ菜に影響された人物でした。

 

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同好会は活動を盛んにし、PVを創り出します。で、優木せつ菜のPVも当然公開されるのですが、その影響はどんどんと波及していきます。わざわざこんなカットを入れるのも、果林がせつ菜の影響下にあることを示しているからです。

 

ただ強調したいのは、影響を受けたのは何も果林だけではないということです

 

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このカットのように、せつ菜の影響はどんどんと人から人へ、あるいはオンラインを介して伝染していきます。

前回の記事で書いた通り、これは「せつ菜の影響が連鎖的に拡がっていく」ことを現わしたシーンになっています。でなければ、わざわざこんなカットを入れる必要はありませんからね。

 

⊡ キャラを守る果林

 

果林もスクールアイドルに興味を持ちます。しかし、これは本人も言っている事ですが「にぎやかなのは嫌い」「キャラじゃない」などの理由でスクールアイドルになるのを戸惑ってしまいます。

 

エマがスクールアイドルを一緒にやろうと、ある意味執拗に誘った時に果林が大人げなく冷たい態度を取るのも、そういった今まで自分が守っていた「キャラ」などが壊れてしまうのが怖いからです。

更にいうと、果林は読者モデルです。自分のイメージを大事にし、守り切ることは即ち自分の日常を守る事にも繋がります。ファンがいるなら尚更です。

 

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上記カットを見ればわかるように、「朝香果林」には一定のファンがいます。読者モデルとしてのイメージが崩れてしまえば、下手をするとファンが遠ざかる事にも直結します。中川菜々のように「優木せつ菜」という2面性を持っていない果林にとって、キャラやイメージを守ることは視聴者が思っているよりも大事なのです。

 

⊡ 既視感

 

そういう理由もあって、果林は今までエマのサポート役に徹していました。

しかし、エマは果林が本当はスクールアイドルに興味があることを知り、エマを説得します。

もちろん言葉も交わしますが、スクールアイドルが言葉以上に人を変える力を発揮できるのは……そう、ライブです。

エマはこれまでの流れ通り、果林を自分のライブでスクールアイドルとしての一歩を踏み出すよう、勇気づけることにしました。

 

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(La Bella Patria 意味は「美しき故郷」)

 

……これってなんか似たようなことありませんでしたっけ?

 

お気づきの方もいるかと思いますが、これって第1話の歩夢と侑と結構同じになってるんですよ。

 

歩夢は1話で元の日常に戻りかけた侑の日常を、ライブを披露することによって「スクールアイドルのいる日常」へと方向転換させることが出来ました。

5話でエマが果林にやっているのは、まさにそれと同じです。せつ菜が人の日常を変えたように、歩夢が侑の日常を変えたように、エマもまた、スクールアイドルとして果林の日常を変えたのです。

 

これも前回の記事でチラッと書きましたが、優木せつ菜はアニガサキにおけるスクールアイドルの定義のような存在です。「スクールアイドルになるということは、優木せつ菜のようになる」ということでもあります。つまり、「人の日常を変えることが出来る」ということです。なんだかA=B B=C A=Cみたいな図式ですみません(笑)

 

⊡ 終わりに

 

と、まあ短いですが、今回はここまでです。

アニガサキは最初からテーマがはっきりしていて、そのテーマに毎回しっかりと沿った表現をしていることがわかります。

だからこそ、第1話でキチンとテーマを理解することが大事だったんですねぇ~。

 

そこさえおさえておけば、こっから先はラクなので、例のアノ修羅場シーンまでは気楽にいきましょう~。

 

というわけで……

 

ここまで読んでくださって本当にありがとうございました!!

 

それでは、チャオ!!