スクールアイドル研究所

ラブライブシリーズのアニメ考察がメインです。考察という名の妄想ですが……

ラブライブ! スーパースター!! 考察 第2話「スクールアイドル禁止!?」~見え隠れする結衣ヶ丘女子高等学校の闇~

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さて、相も変わらずYoutubeでは1話と2話を毎日配信しています。そしてLiellaの生放送の頻度だけが増えていくという、所謂ちょっとした停滞状態にこの作品が入っていて、仕方ないとはいえもどかしいばかりです。

 

とはいえ文句を言って第3話の放送日時が早まるわけでもありません。我々ラブライバーに出来ることは、今あるものを愛でることのみ。

 

というわけで、今回は第2話を深堀していきます。

 

第2話は恐らく物語の大きな転換になるであろう第3話のクッション的なお話でした。しかしながらこのお話から得られる情報も、やはり無視できないものです。

 

主人公かのんの夢は「結衣ヶ丘女子高等学校・音楽科」(以下、結衣ヶ丘)に入ることでした。ある種、希望の象徴のようにも描かれている結衣ヶ丘でしたが、第2話ではその結衣ヶ丘の一種の暗い部分が見え隠れするようなお話でした。その暗い部分を中心にして、第2話を振り返っていきましょう。

 

※ここから先はラブライブ!スーパースター!!第2話のネタバレを含みます。まだ本編を視聴していない、またはネタバレが嫌だという人は決して見てはいけません。マジで責任は取りませんので、悪しからず。

※基本的にこの考察はただのおっさんの妄想です。ひとりのラブライバーの解釈であり、これが「正解」であるなどと言うつもりは全くございません。あくまで、妄想・ジョークの類として受け取って頂ければ幸いです。

 

 ⊡ 対立するスクールアイドル部と結衣ヶ丘女子高等学校

 

さて、第1話から描かれていたものの一つとして、「澁谷かのん・唐可可」と「葉月恋」の対立でした。これは言うまでもなくシリーズではおなじみとなった「生徒会長がスクールアイドル活動に反対する」という、いわゆるラブライブあるあるです(笑)。

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タイトルにも「スクールアイドル禁止!?」とあります。このタイトルを見ると、往年のラブライバーは「ああ、またいつものやつか」と生徒会長がスクールアイドル活動に反対するという展開を予想するわけです。

 

実際、葉月恋はシリーズの流れを汲むように見事なまでのアンチスクールアイドルなわけですが、これは少しミスリードされているようにも見えるのです。シリーズのお約束だと決めつけて見てしまうと、そういったところが見えにくくなってます。

 

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葉月恋との対話も虚しく、結局スクールアイドル活動は認められません。唐可可は「こうなったら他の学校でスクールアイドルをしよう」と一緒に退学することをかのんに提案。もちろん受け入れられず、今度は巨大な滑車を引いて「自由に部活が出来るよう」に校内で大々的な署名活動を行います。

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あの事件を彷彿とさせると話題になったシーンですね。私も怖いのでこれ以上言及できません。しかし可可の尋常ならざる行動力のおかげで、ついに学校側も動かざるをえなくなったのです。

 

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理事長に呼び出される3人。理事長は事情を聴いたうえで、「普通科の生徒が、レベルがどうあれ音楽に興味を持つのを止める権限はありません」と、頑としてスクールアイドルに反対する葉月恋を制止します。

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(ドヤッ)
これには可可もしてやったりといった表情です。

 

一見すると学校側はスクールアイドル部を応援しているようにも見えますが、そうではありません。理事長の言葉の端々にも生徒会長に同情するように「気持ちはわかりますが」としたうえで、かのん・可可に対しても「レベルがどうあれ」反対する理由がない、と2人の実力についても疑問視し、ともすれば下に見ています

それ故に、2人にある課題を出します。それは「代々木スクールアイドルフェス」に出場して1位になる事。それを達成できればスクールアイドル活動を認めるとのこと。けど、これおかしくないですか? これを他の部活動に例えてみましょう。例えば野球部を設立したいとして、学校側が「地区大会で優勝したら部活動認めます」と言っているようなもの。普通はそこを目標に頑張るのですが、優勝をスタートラインにするのは、はじめたばかりの人間に対してあまりにも酷ではないでしょうか。

 

このことからもわかるように、理事長は実をいうと葉月恋と同じ立場であるわけです。スクールアイドル活動を表立って禁止しなかったのは、禁止を正当化する校則や理屈が無いというだけで、実質は2人の活動を認めているわけではありません。だからこそ無理難題をふっかけているわけです。

 

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(「ドンマイ!」と嵐千砂都。凄くあっさりとしてますが、ダンス経験豊富な千砂都はこの時点で「無理だよね」と諦めています)

ラブライブシリーズの流れだけを汲んで見ると、生徒会長の葉月恋だけがスクールアイドルに反対しているように見えますが、実のところ学校も反対しているわけです。今までのシリーズでは「学校」という組織は、スクールアイドルを応援(または容認)する立場にありましたが、今作では、「スクールアイドル部VS学校」の図式がどうしても見えてしまいます


⊡ 明確に区別される「普通科」と「音楽科」

もう少し結衣ヶ丘について見てみましょう。ここからはいつも以上に想像が激しいので、いつも以上に話半分に読んでいただければ幸いです(笑)。

 

さて、第1話で語られたように結衣ヶ丘の音楽科はかのんにとって憧れの場所でありましたが、音楽科の試験には失敗してしまいます。しかし、かのんは結衣ヶ丘には入学出来ました。音楽科に入れなかった生徒は、普通科に入るということです。それは普通科の人間は音楽科の人間と比較して、音楽的な能力において劣っているという烙印です。だからこそかのんはやさぐれてしまうのです。

 

結衣ヶ丘にとって、音楽は重要な要素であることは、第1話から葉月恋というキャラクターを通して描かれていました。結衣ヶ丘が「音楽科」と「普通科」の生徒を「制服」を用いて区別していることからも解ります。

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幼馴染で同じ学校にかよっているにも関わらず、かのんと千砂都では着ている制服が違います。音楽科の千砂都が着ている、白を基調とした制服は、どこか高級なイメージすらあります

 

第1話の葉月恋の言葉を振り返ってみます。かのんがどうしてスクールアイドルがダメなのかを問い詰めると、彼女は「相応しくないから」と答えます。何が相応しくないのか、彼女はこの時は答えてくれません。これだけではまだよく解りません。

 

第2話、再び葉月恋の言葉を見てみます。f:id:Jmusublog:20210802105227p:plain

「音楽に関してはどんな活動であれ、他の学校に秀でていないと、この学校の価値が下がってしまうのです」

この言葉は単に「レベルが上でないといけない」というだけではないように思います。「学校の価値」という言葉からも解るように、結衣ヶ丘の音楽科は学校そのものの「気品」や「風格」の象徴とも言える存在です音楽科はエリートの集まりで、学校はその高級なイメージを守りたい、という思惑が見えてきます。

 

このことからもう一度「相応しい」という彼女の言葉を考えてみます。スクールアイドルに限らず、「アイドル」という存在そのものが高級な音楽科のイメージに相応しくないのです。さらに、「音楽的に劣っている普通科の生徒」がアイドル活動に従事するという事実が、「高級」なイメージから更に離れさせている。だからこそ、「相応しくない」と言っているのです。

 

2作前の「ラブライブ!」では、幼少期からバレエを嗜んでいた絢瀬絵里はスクールアイドルを「レベルの低いもの」「お遊びの様に見えてしまう」と、認めませんでした。スクールアイドルが技術的にレベルの高いものではないという描かれ方をされていました。

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(厳しい目で指導する絵里。彼女は当初、技術的には素人でしかないμ'sを許せなかった。絵里の技術面での意識の高さは結衣ヶ丘の音楽科に通じるものがありますね。)

現実世界でも「アイドル=低レベル」という何となくなイメージはあります。例えば、本当かどうかはわかりませんが、こんなエピソードがあります。松田聖子さんはアイドル当時、歌がうますぎるのでアイドルというイメージを守るためにわざと下手に歌っていたそうです。アイドルという存在の可愛らしさを守るためには、上手すぎることをしてはいけないということでしょうか。

 

こういうものが見えてくると、ラブライブ!スーパースター!!は

アイドル(低レベル)VS エリート(高レベル)

という図式を描こうとしているようにも見えます。

⊡ OP・EDから見える今後の展開

最後に今後の展開を少しだけ予想します。

 

皆さんお気付きのように、これから何らかの理由で嵐千砂都、葉月恋は「普通科」に転科します。それはOPやEDの映像を見て頂ければ明らかです。

 

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普通科の制服を着ている葉月恋と嵐千砂都)

 

ここから推察するに、恋と千砂都は音楽科にいる限りスクールアイドル活動が出来ない状況になるのではと思います。同時にこれは一種の「音楽科」と「普通科」の対立のようにも見えます。

 

もし本当にそういった展開になったのであれば、音楽科を目指していたかのんにとってはなんとも皮肉な話だよな……とも思ってしまうのです。

 

さて、低レベルVS高レベルと書いたので、その点についても今後の展開を予想していきましょう。普通科のLiellaを低レベルと言う風に書きましたが、こう見るとある問題が生じるわけです。それは、唐可可の体力の無さです。

 

冷静に見るとLiellaは必ずしも低レベルなグループではありません。音楽科の葉月恋、嵐千砂都は言うまでもありません。澁谷かのんは歌に秀でていますし、平安名すみれもショウビズの世界で培った様々な経験があります(ファンブックによるとダンスも上手いそうです)。となると、冷静に見て技術面で足を引っ張るのはどう考えても可可なわけです。それを予感させるかのように、第2話では早くも可可の体力の無さが描かれていました。

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となると、今の時点で推察するに本当に技術的に未熟なのは、この唐可可以外はあまり考えられません。情熱だけで突っ走る、穂乃果的なキャラクターですが、果たして彼女は今後どこまで喰らいついて行けるかも注目ですね。

 

さて、今後一体どうなっていくのでしょうか。考察と言う名の妄想をすればするほど、楽しみになっていきますね。

 

それでは次回第3話「クーカー」にて、またお会いしましょう。